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【実機】Xiaomi 12S Ultra(Snapdragon 8+ Gen 1)の各種ベンチマーク結果まとめ―Antutu, 3DMark, Geekbenchなど

Xiaomi 12S Ultraを購入しました。開封の儀とファーストインプレッションの記事に続き、今回はベンチマーク結果を単独の記事にしてご紹介します。総合的なレビューは近日中に掲載予定です。掲載しました

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Xiaomi 12S Ultraのスペック

製品型番 2203121C
OS MIUI 13 (Android 12)
SoC Qualcomm Snapdragon 8+ Gen 1
RAM 8GB, 12GB (LPDDR5)
ストレージ 256GB, 512GB (UFS3.1)
ディスプレイ 6.73インチ (Samsung E5 AMOLED, LTPO(1~120Hz), 3200×1440(QHD+))
メインカメラ 5000万画素広角(IMX 989)+4800万画素超広角+4800万画素ペリスコープ5倍望遠
フロントカメラ 3,200万画素
バッテリー 4,800mAh
充電 67W有線急速充電+50W無線急速充電+10Wリバースワイヤレス充電
サイズ 約163.17 × 74.97 × 9.06 mm
重量 約225g
対応モバイルネットワーク周波数(バンド) 5G:n1/n3/n5/n8/n28a/n40/n41/n77/n78/n79
4G:FDD-LTE:B1/B2/B3/B4/B5/B7/B8/B12/B17/B18/B19/B26
4G:TDD-LTE:B34/B38/B39/B40/B41(2496-2690 194MHz)/B42
3G:WCDMA:B1/B2/B4/B5/B6/B8/B19
2G:GSM:B2/B3/B5/B8
CDMA 1X:BC0
4×4 MIMO/HPUE/HO RxD
Wi-Fi 802.11 a/b/g/n/ac/ax (Wi-Fi 6E)
その他 IP68防水防塵

使用したベンチマークアプリとテスト環境

今回は以下のアプリでベンチマークテストを行いました。

テストは全てクーラーやケース無しの端末単体で、室温27℃程度の直接風の当たらない屋内にて行っています。また、バッテリーモードをBalancedとPerformanceに設定した場合の両方でベンチマークを実行しています。

ベンチマークに関しては、MIUI 13.0.4.0.SLACNXMで実行しています。

Antutu Benchmark V9.4.2の結果

Balancedモード時

総合スコア



Antutu Benchmark V9.4.2では3回連続でベンチマークを回しました。Balancedモードでは、1回目が1,028,890点、2回目が1,022,556点、3回目が1,015,316点でした。

Balancedに設定しても常時101万点を超えていて、その圧倒的な性能が分かります。冷却せずに連続で回したため、2回目以降は熱を持ったままの実行でしたが、それでも大きくスコアが落ち込むことがなく、安定して高スコアを出せています。

CPU/GPUの詳細スコア



CPU/GPUの詳細スコアです。GPUは2回目が1番スコアが高くなっています(誤差の範囲内でしょうが)。

MEM/UXの詳細スコア



MEM/UXの詳細スコアです。

温度変化



温度は、1回目が27℃から37℃まで10℃上昇し、2回目は37.3℃から最高42℃(終了時温度は41.5℃)まで4.7℃上昇、3回目は40.9℃から最高43.2℃(終了時温度は42.9℃)まで1.2℃の上昇となりました。

ベンチマーク中、サイドのアルミフレームは結構熱を感じましたが、背面はヴィーガンレザーのおかげか、熱すぎて持てないほどの発熱は感じられませんでした。

Performanceモード時

総合スコア



Balancedモード時と同様に、Antutu Benchmark V9.4.2では3回連続でベンチマークを回しました。Performanceモードでは、1回目が1,048,448点、2回目が1,053,357点、3回目が1,051,262点でした。

Performanceに設定すると、104万点を常に超えていて、Balancedよりも若干性能が上がったようです。冷却せずに連続で回したため、2回目以降は熱を持ったままの実行でした。それでも大きくスコアが落ち込むことがなく、Balancedよりも高いスコアを安定して出せています。

CPU/GPUの詳細スコア



CPU/GPUの詳細スコアです。

MEM/UXの詳細スコア



MEM/UXの詳細スコアです。

温度変化



温度は、1回目が30.2℃から37.4℃まで7.2℃上昇し、2回目は37.9℃から最高41.2℃(終了時温度は40.5℃)まで3.3℃上昇、3回目は40.5℃から最高43℃(終了時温度は41.9℃)まで2.7℃の上昇となりました。

ベンチマーク中、サイドのアルミフレームは結構熱を感じましたが、背面はヴィーガンレザーのおかげか、熱すぎて持てないほどの発熱は感じられませんでした。

Geekbench 5の結果

Balancedモード時



バッテリーの動作モードをBalancedに設定したGeekbench 5.4.4では、Single-Core Scoreが1,308、


Multi-Core Scoreが4,108でした。



Conpute APIをOpenCLに設定したCONPUTE BENCHMARKは、Scoreが6,375でした。



Conpute APIをVulkanに設定したCONPUTE BENCHMARKは、Scoreが6,677でした。

Performanceモード時



バッテリーの動作モードをPerformanceに設定したGeekbench 5.4.4では、Single-Core Scoreが1,264、



Multi-Core Scoreが4,043でした。…全体的にむしろスコアが下がってしまいました…



Conpute APIをOpenCLに設定したCONPUTE BENCHMARKは、Scoreが6,501でした。


Conpute APIをVulkanに設定したCONPUTE BENCHMARKは、Scoreが7,215でした。COMPUTE BENCHMARKのスコアに関しては、OpenCLとVulkan両方で予想通りスコアが上昇しました(OpenCLは誤差の範囲ですが)。

3DMarkの結果

3DMark v2.2.4809(4809)では、以下のテストを実行しました。

なお、Wild Lifeについては、Balancedに設定した際のテストで負荷が軽すぎて「Maxed Out!」になったため、Performanceモードでは計測を行っていません。…Wild Lifeですら負荷が軽すぎるのは結構驚きですね。

Balancedモード時

Wild Life


Wild Lifeでは、Overall ScoreがMaxed Out!、Average FramerateもMaxed Out!でした。温度は、27℃から28℃まで1℃上昇し、フレームレートは27FPSから78FPSとなりました。

Wild Life Stress Test




Wild Life Stress Testでは、最もスコアが高い最初のLoopのスコアが10,442、1番低かったLoop 18のスコアが5,724、Stabilityが54.8%でした。バッテリーは100%から91%まで減り、温度は31℃から43℃まで12℃上昇、フレームレートは23FPSから77FPSでした。

Wild Life Extreme



Wild Life Extremeでは、総合スコア2,749、平均フレームレートは16.50FPSでした。バッテリーは100%から99%まで1%減少し、温度は35℃から36℃まで1℃上昇、フレームレートは12FPSから20FPSとなりました。

Wild Life Extreme Stress Test


Wild Life Extreme Stress Testでは、最もスコアが高い最初のLoopのスコアが2,751、1番低かったLoop 19のスコアが1,472、Stabilityが53.5%でした。


バッテリーは100%から92%まで減り、温度は32℃から44℃まで12℃上昇、フレームレートは7FPSから20FPSでした。

Performanceモード時

Wild Life Stress Test



Wild Life Stress Testでは、最もスコアが高い最初のLoopのスコアが10,578、1番低かったLoop 13のスコアが5,706、Stabilityが53.9%でした。バッテリーは100%から92%まで減り、温度は23℃から43℃まで20℃上昇、フレームレートは23FPSから78FPSでした。

バッテリーモードをPerformanceに設定したWild Life Stress Testでは、最高スコアの大きな上昇は見られませんでした。一方、Balanced時のストレステストで、温度が下がったわけでもない(3DMarkのストレステストは同じテストを20回繰り返すテストで、途中で処理が軽くなることはありません)のにLoop 18や19でなぜかガクッとスコアが落ち込み、Loop 20で戻るというような不思議な動作は確認されませんでした。

Wild Life Extreme



Wild Life Extremeでは、総合スコア2,714、平均フレームレートは16.30FPSでした。バッテリーは100%のままで、温度は31℃から33℃まで1℃上昇、フレームレートは12FPSから20FPSとなりました。バッテリーのモードによる差は誤差レベルで、ここでは観測できませんでした。

Wild Life Extreme Stress Test



Wild Life Extreme Stress Testでは、最もスコアが高い最初のLoopのスコアが2,753、1番低かったLoop 19のスコアが2,097、Stabilityが75.8%でした。バッテリーは100%から91%まで減り、温度は28℃から44℃まで16℃上昇、フレームレートは7FPSから20FPSでした。

バッテリーモードをPerformanceに設定したWild Life Extreme Stress Testでは、最高スコアの大きな上昇は見られなかったものの、Wild Life Stress Testと異なり、Stabilityが22.3%上昇しました。また、ストレステストで温度が下がったわけでもないのに、Loop 18や19でなぜかガクッとスコアが落ち込み、Loop 20で戻るというような不思議な動作は確認されませんでした。

全体として、ストレステストではStabilityが低めで、これからのアップデートで改善できる余地があると言えます。ただ、高温になりすぎて強制的にアプリが停止されるようなことはありませんでした。

また、発熱の関係性が低い単発のWild Life Extremeでは、2,700前後(Snapdragon 888搭載のBlack Shark 4 Proは1,500前後)のスコアを記録しており、これからのアップデートで化ける可能性を秘めています。発売当初のOSバージョンでは発熱制御で詰めが甘いことが多いため、アップデートに期待しましょう。

PCMark for Android Benchmarkの結果

一般的な操作でベンチマークを行うPCMark for Android Benchmark v3.0.4061では、Work 3.0 TestとStorage 2.0 Test、Work 3.0 Battery Testを実行しました。Battery Testに関しては、Balancedモードでのみ計測しています。

Balancedモード時

Work 3.0


Balancedモードに設定したWork 3.0では、スコア13,433でした。Snapdragon 888のBlack Shark 4 Proより2,623スコアが低くなっています。

Storage 2.0


Storage 2.0ではシーケンシャルリード1200.23MB/s、シーケンシャルライト872.28MB/sでスコア27,236を記録しました。シーケンシャルリードがBlack Shark 4 Proは1731.22MB/sくらい出ていたので、UFS 3.1の割にはちょっと遅めです。

Work 3.0 Battery Life

WQHD+設定時

Work 3.0 Battery LifeのWQHD+設定では、画面の明るさを最大にした上で、明るさを調整できるアプリで明るさを75%に設定し、Extra Volume Configで音量を35/150に設定。リフレッシュレートは「デフォルト」に設定して計測しました。この設定では、明るさは、LEDシーリングライトが付いているような明るい室内で使うことを考慮した設定にしています。

結果は8時間35分で、パフォーマンススコアは13,223になりました。

FHD+設定時

Work 3.0 Battery LifeのFHD+設定では、画面の明るさを最大にした上で、明るさを調整できるアプリで明るさを50%に設定し、Extra Volume Configで音量を35/150に設定。リフレッシュレートは「デフォルト」に設定して計測しました。

結果は10時間2分で、パフォーマンススコアは13,614でした。

Performanceモード時

Work 3.0


Performanceモードに設定したWork 3.0では、スコア15,118でした。バッテリーのモードを変更したことで、明らかにスコアが上昇しました。


Storage 2.0ではシーケンシャルリード1271.23MB/s、シーケンシャルライト875.66MB/sでスコア29,626を記録しました。ストレージに関しては、Performanceモードでも大きな差は生まれませんでした。

ベンチマーク結果を見て

Snapdragon 8+ Gen 1を搭載したXiaomi 12S Ultraは、熱ダレでスコアが大きく下がることもなく、全体的にハイエンドとしてトップクラスの良好なスコアを記録しました。おそらくは製造がSnapdragon 8 Gen 1のSamsungからTSMCに変わったことも大きな要因の1つになっていると考えられます。が、まだチューニングが熟成しきっていない面も垣間見えました。

先述の通り、他社製品であっても発売当初のROMでは調整が煮詰まっていないことが多く、アップデートで改善されていく傾向にあります。また、SoCのそもそもの特性は良さそうですから、今後のアップデートにも期待です(大きく改善されれば記事化も検討します)。

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