Xiaomi、中国でXiaomi 12Sシリーズ(12S/12S Pro/12S Ultra)などを発表!ライカとの共同開発で生まれた初の製品
Xiaomiは、日本時間の7月4日20時から発表会を開催し、ドイツの高級カメラメーカー・ライカ(Leica)と共同開発した初の製品であるXiaomi 12Sシリーズを発表しました。シリーズはXiaomi 12S、Xiaomi 12S Pro、Xiaomi 12S Ultraの3機種構成で、価格は3,999CNY〜となっています。また、12Sシリーズではありませんが、MediaTek Dimensity 9000+を採用したXiaomi 12 Pro 天玑版(この記事中ではDimensity Editionと記載します)も発表されました。
目次(見たいところからチェック!)
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Xiaomi 12S/12S Pro
Xiaomi 12Sは、Xiaomi 12Sシリーズで最もベーシックなモデルです。本体サイズがXiaomi 12と全く同じで、背面がガラスのモデルの重量が2g増えただけ。これまでと同様に、握りやすさがアピールされていました。
ベーシックではありますが、SoCがXiaomi 12のSnapdragon 8 Gen 1からSnapdragon 8+ Gen 1へとグレードアップされています。
性能は、Snapdragon 8 Gen 1比でCPU/GPUどちらも10%向上していると謳います。
性能が上がっていると、どうしても発熱が気になるところです。しかし、そこはXiaomiで最も薄いとするベイパーチャンバーなどで冷却され、Snapdragon 8 Gen 1と同一の性能を(Xiaomi 12Sシリーズに搭載のSnapdragon 8+ Gen 1は)CPUは33%低い電力で実現可能だといいます。また、8 Gen 1と同等の消費電力なら、8+ Gen 1はGPUの性能を11%向上できるとします。
実際に、原神のBOSS戦では、30分プレイして、平均FPSが54.9fps、最高温度が49℃だったと報告しています。とはいえ、このようなデータは一定の条件下での結果なので、過信は禁物です。
ディスプレイはXiaomi 12と解像度などのスペックがほぼ同じものが採用されています(色精度は12Sのもののほうが数値が良い)。
バッテリーは4,600mAhで、充電は有線67W+ワイヤレス50W+ワイヤレスリバース10Wの構成です。
バッテリーは、前モデルのXiaomi 12よりも持続時間が長くなっています。性能が上がっても大丈夫、ということを証明したかったのでしょうか。
Xiaomi 12Sシリーズには、ライカと共同開発されたカメラが採用されています。Xiaomi 12Sのカメラは、解像度こそ50MPで同一ですが、Xiaomi 12からメインカメラのセンサーが大型化し、Xiaomi 12 Pro/12S Proのメインカメラと同じものにグレードアップされています。
メインカメラ以外のカメラは13MPの超広角カメラ+5MPのテレマクロカメラで、ここは変更されていません。
カメラは、ライカ監修のモードが2つあります。まず紹介するのは「LEICA VIBRANT Look」です。これは、ざっくり言うと、現実よりもより明るく、鮮やかに写すモードです。明るく鮮やかな色ではあるものの、ライカの美的センスを継承している、と書かれています。
対して、「LEICA AUTHENTIC Look」は、現実の色を写実的に表現します。
2つのモードを比べるとこのようになります。
また、モードとは異なりますが、フィルターもいくつか用意されています。モノクロのフィルターも2種類あります。
これらカメラの機能は、Xiaomi 12Sシリーズ全てに搭載されています。
Xiaomi 12Sのまとめです。本体サイズは維持したまま、しっかりとアップグレードされている印象です。メインカメラのセンサーもより光を取り込めるようになっていますし、下位モデルでありながら十分に実用的なのではないでしょうか。
カラーバリエーションは、前モデルのXiaomi 12と同一で、Black、Blue、Purple、Greenの4色構成。Greenのみヴィーガンレザーで、それ以外はガラスです。
Xiaomi 12S Pro
お次はXiaomi 12S Proです。Xiaomi 12S Proは、Xiaomi 12 Proからそれほど大きな変更が行われたわけではありません。
Xiaomi史上最高というディスプレイは、3220×1440の解像度のSamsung製 E5 AMOLED。LTPOに対応し、1~120Hzまでの可変リフレッシュレートで消費電力を削減できます。しかし、Xiaomi 12 Proにも、ほぼ同じスペックのディスプレイが搭載されていたため、新たな特徴ではありません。
Xiaomi 12S Proのカメラは、Xiaomi 12 Proからそのまま引き継がれています。 全て50MPの、メイン+2倍望遠+超広角の構成です。
バッテリーは4,600mAhで、充電周りは引き続き有線120W+無線50W+リバースワイヤレス10Wとなっています。
Xiaomi 12S Proも、バッテリー持ちが前モデルのXiaomi 12 Proより改善しているとのことです。
Xiaomi 12S Proのまとめです。Xiaomi 12Sほど、前モデルからの進化点は少ないですが、それは逆に言えば、ハードウェアとしては完成されていた、ということでもあります。
Xiaomi 12S Ultra
Xiaomi 12S Ultraは、これまでに例がなかったカメラが搭載された、フラッグシップモデルです。
SoCには、もちろんQualcomm Snapdragon 8+ Gen 1が搭載され、RAMはLPDDR5、ROMはUFS 3.1とフラッグシップにふさわしい装備を有しています。
メインカメラには、SONY製の1インチセンサーIMX 989が搭載されています。これまで、1インチセンサーを搭載したスマホとしてXperia PRO-I、AQUOS R6などがありましたが、それらはコンパクトデジカメ向けに設計されたセンサーを使用していました。IMX 989はモバイル向けに設計されたセンサーであり、Xiaomi 12S Ultraはこれを搭載する初めてのスマートフォンとなります。解像度は50MP。
ライカのSummicronレンズを搭載し、コーティングなどでフレアを防ぎます。レンズは8枚あります。
ペリスコープレンズを備えた48MPの光学5倍(デジタル120倍)望遠カメラ、50MPの超広角(128°)カメラも搭載。まさに死角がありません。ちなみに、中心の大きいカメラが超広角カメラです。
強力なOIS(光学式手ブレ補正)、HyperOISも搭載。手ブレとはおさらばできます。
植物が、葉から水分を吸収する方法に着想を得たという3D冷却システムが、Xiaomi 12S Ultraには装備されています。独自の液体回帰パイプラインにより、ベイパーチャンバー液冷システムよりも迅速にポンプで戻すことができるとしています。
ディスプレイももちろんフラッグシップ。スペックが同一なので恐らくXiaomi 12S Proと同じものだと考えられますが、それでも十分過ぎます。1〜120Hzの可変リフレッシュレートももちろん対応しています。
どれをとっても最強なXiaomi 12S Ultraですが、唯一の弱点が急速充電の速度。Xiaomi 12S Proですら有線120Wに対応しているにもかかわらず、新素材のバッテリーを採用したためか、Xiaomi 12Sと同じ67W止まりです。もちろん、67Wでも十分すぎるほどに高速ですが、名実共にフラッグシップのUltraが67Wなのは、技術的に難しかったとしても、どうしても残念に思ってしまうところです。
Xiaomi 12S Ultraは、Xiaomiが独自開発した急速充電のチップであるSurge P1に加え、新たな自社開発のSurge G1というバッテリー管理チップも搭載しています。これにより、バッテリーの寿命を延ばし、充電時間を正確に計算し、バッテリー全体のパフォーマンスを延ばすのに役立つということです。
一眼レフのテイストを感じてほしいということで、環境負荷が小さく、ホコリ(?)に強いというシリコンレザーが採用されています。カラーはClassic BlackとVerdant Greenの2色構成です。
また、カメラ周りのデザインには、レンズのリム(ふち)に23Kの金が使われています。フレームはアルミです。
Xiaomi 12S UltraはIP68の防水防塵に対応しています。水濡れでも安心ですね。
Xiaomi 12S Ultraのまとめです。メインカメラはもちろんのこと、それ以外もフラッグシップに相応しい装備の数々が揃い踏みといった感じです。
Xiaomi 12 Pro 天玑版(Dimensity Edition)
One more thing…として、Xiaomi 12 ProのSoCをMediaTek Dimensity 9000+に変更したモデルも発表されました。
ハイエンドMediaTekSoCが急激にその性能を伸ばしていることに触れつつ、「高い評価を受けている」と評しました。
Dimensity EditionのXiaomi 12 Proは、バッテリーが5,160mAhにボリュームアップ。反面、急速充電のスピードは67W止まりとなっています。
Xiaomi 12 Pro Dimensity Editionのまとめです。SoCをMediaTek Dimensity 9000+に変更。カメラのイメージセンサーはそのままに、バッテリーの容量・急速充電スピードを変え、Xiaomi 12S Ultraで採用された3D冷却システムを採用。全体的に、SoCのパフォーマンスを出すことを重視して作られているようです。
2022年7月10日訂正:
初出時、「カメラのイメージセンサーはそのままに」と記載していましたが、正しくはカメラのスペックはXiaomi 12Sと同等レベルにグレードダウンされていました。お詫びして訂正します。
Xiaomi 12SシリーズとXiaomi 12 Pro Dimensity Editionのスペック
Xiaomi 12S | Xiaomi 12S Pro | Xiaomi 12 Pro Dimensity Edition | Xiaomi 12S Ultra | |
---|---|---|---|---|
OS | MIUI 13 (Android 12) | |||
SoC | Qualcomm Snapdragon 8+ Gen 1 | MediaTek Dimensity 9000+ | Qualcomm Snapdragon 8+ Gen 1 | |
RAM | 8GB, 12GB (LPDDR5) | |||
ストレージ | 128GB, 256GB, 512GB (UFS3.1) | 128GB, 256GB (UFS3.1) | 256GB, 512GB (UFS3.1) | |
ディスプレイ | 6.28インチ (FHD+, AMOLED) | 6.73インチ (Samsung E5 AMOLED, LTPO(1~120Hz), 1440×3200(QHD+)) | 6.73インチ (Samsung E5 AMOLED, LTPO(1~120Hz), 3200×1440(QHD+)) | |
メインカメラ | 5,000万画素広角+1,300万画素超広角+500万画素テレマクロ | 5,000万画素広角+5,000万画素超広角+5,000万画素2倍望遠 | 5,000万画素広角+1,300万画素超広角+500万画素テレマクロ | 5000万画素広角(IMX 989)+4800万画素超広角+4800万画素ペリスコープ5倍望遠 |
フロントカメラ | 3,200万画素 | |||
バッテリー | 4,500mAh | 4,600mAh | 5,160mAh | 4,800mAh |
充電 | 67W有線急速充電+50W無線急速充電+10Wリバースワイヤレス充電 | 120W有線急速充電+50W無線急速充電+10Wリバースワイヤレス充電 | 67W有線急速充電+50W無線急速充電+10Wリバースワイヤレス充電 | |
サイズ | 約152.7 × 69.9 × 8.16(ガラス版)/ 8.66(PU版)mm | 約163.6 × 74.6 × 8.16(ガラス版)/ 8.66(PU版)mm | 約163.6 × 74.6 × 8.16 mm | 約163.17 × 74.97 × 9.06 mm |
重量 | 約182g(ガラス版)/ 179g(PU版) | 約204g(ガラス版)/ 203g(PU版) | 約201g | 約225g |
対応モバイルネットワーク周波数(バンド) |
5G:n1/n3/n5/n8/n28a/n38/n40/n41/n77/n78 4G:FDD-LTE:B1/B2/B3/B4/B5/B7/B8/B18/B19/B26 4G:TDD-LTE:B34/B38/B39/B40/B41(2496-2690 194MHz)/B42 3G:WCDMA:B1/B2/B4/B5/B6/B8/B19 2G:GSM:B2/B3/B5/B8 CDMA 1X:BC0 4×4 MIMO/HPUE/HO RxD |
5G:n1/n3/n5/n8/n28/n38/n40/n41/n77/n78/n79 4G:FDD-LTE:B1/B2/B3/B4/B5/B7/B8/B12/B18/B19/B26 4G:TDD-LTE:B34/B38/B39/B40/B41(2496-2690 194MHz)/B42 3G:WCDMA:B1/B2/B4/B5/B6/B8/B19 2G:GSM:B2/B3/B5/B8 CDMA 1X:BC0 4×4 MIMO/HPUE/HO RxD |
5G:n1/n3/n5/n8/n28a/n40/n41/n77/n78 4G:FDD-LTE:B1/B2/B3/B4/B5/B7/B8/B18/B19/B26 4G:TDD-LTE:B34/B38/B39/B40/B41(2496-2690 194MHz)/B42 3G:WCDMA:B1/B2/B4/B5/B6/B8/B19 2G:GSM:B2/B3/B5/B8 CDMA 1X:BC0 4×4 MIMO/HPUE/HO RxD |
5G:n1/n3/n5/n8/n28a/n40/n41/n77/n78/n79 4G:FDD-LTE:B1/B2/B3/B4/B5/B7/B8/B12/B17/B18/B19/B26 4G:TDD-LTE:B34/B38/B39/B40/B41(2496-2690 194MHz)/B42 3G:WCDMA:B1/B2/B4/B5/B6/B8/B19 2G:GSM:B2/B3/B5/B8 CDMA 1X:BC0 4×4 MIMO/HPUE/HO RxD |
Wi-Fi | 802.11 a/b/g/n/ac/ax (Wi-Fi 6E) | |||
その他 | IP68防水防塵 |
価格
Xiaomi 12Sは、8GB+128GBモデルが3,999CNY(約81,000円)、8GB+256GBモデルが4,299CNY(約87,000円)、12GB+256GBモデルが4,699CNY(約95,000円)12GB+512GBモデルが5,199CNY(約106,000円)となっています。カラーバリエーションは、Black、Blue、Purple、Greenの4色構成。Greenのみヴィーガンレザーで、それ以外はガラスです。
全体的にXiaomi 12から300CNY(約6,000円)値上がりしていますが、イメージセンサーのアップグレードとライカチューニングを考えれば、むしろお得と言えるかもしれません。
Xiaomi 12S Proは、Snapdragon 8+ Gen 1版の8GB+128GBモデルが4,699CNY(約95,000円)、8GB+256GBモデルが4,999CNY(約101,000円)、12GB+256GBモデルが5,399CNY(約110,000円)12GB+512GBモデルが5,899CNY(約120,000円)となっています。Xiaomi 12S Proは、Xiaomi 12 Proの値段がそのまま据え置かれています。
Xiaomi 12 ProのDimensity 9000+版の8GB+128GBモデルは3,999CNY(約81,000円)、12GB+256GBモデルが4,499CNY(約91,000円)です。カラーバリエーションはBlackとBlueです。
Xiaomi 12S Ultraは、8GB+256GBモデルが5,999CNY(約121,000円)、12GB+256GBモデルが6,499CNY(約131,000円)、12GB+512GBモデルが6,999CNY(約142,000円)となっています。カラーバリエーションはClassic BlackとVerdant Greenです。
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