1MOREさんから、1MORE EVOをレビュー用に提供していただきました。LDACに対応し、Hi-Res Wireless認証を取得したフラッグシップTWSイヤホンです。
1MORE EVOの通常価格は19,990円ですが、2022年5月10日から6月10日までの1ヶ月間限定で3,000円引きの16,990円で販売されます。
目次(見たいところからチェック!)
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1MORE EVOのスペック
型番 | EH902 |
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接続方式 | Bluetooth 5.2 |
サイズ | イヤホン本体:22.03 × 20.69 × 25.11 mm 充電ケース:66.60 × 28.61 × 38.65 mm |
対応コーデック | SBC, AAC, LDAC |
対応プロファイル | HFP, A2DP, AVRCP |
バッテリー容量 | イヤホン片方:48mAh 充電ケースバッテリー容量:450mAh |
最大再生時間(ノイキャンON時) | 約5.5時間(イヤホンのみ)約20時間(充電ケース併用) |
最大再生時間(ノイキャンOFF時) | 約8時間(イヤホンのみ)約28時間(充電ケース併用) |
防水性能 | IPX4 |
重量 | 約5.7g(イヤホン片側)、約46.9g(充電ケースのみ)、約58.3g(充電ケース+両イヤホン) |
カラー | ブラック、ホワイト |
パッケージと内容物
パッケージはザラザラとした質感の紙でできています。硬く、一見紙とは思えないくらい丈夫です。なかなか高級感があります。
正面にはHi-Res Wirelessのロゴ、側面には対応規格・機能のロゴがあります。
この1Moreのロゴ部分にマグネットが入っており、磁力で箱が閉じられています。
箱を開けると、内側にはデザインスケッチなどが描かれていて、どことなくオシャレです。
箱を開けるといきなり充電ケースがお出迎え。下段には紙類が収められています。
内容物
内容物一覧です。イヤホン本体、充電ケース、Type-C充電ケーブル(USB Standard-A to USB Type-C)、イヤーチップ(XL/L/M/S/XSの5種類)、ステッカー、保証書、ユーザーマニュアルが入っています。ステッカーは内容物として書かれていなかったので、必ず入っているかどうかは分かりません。
イヤホン本体、充電ケース
イヤホン本体
イヤホン本体です。ロゴのある面は3Dセラミックでできていて、ツヤツヤの鏡面仕上げ。かなり高級感があります。
高機能なイヤホンは大きくなりがちですが、1MORE EVOは比較的小型な気がします。
充電ケース
充電ケースです。充電ケースはマット加工が施された金属製で、こちらもなかなか高級感があります。底面はゴムで滑りにくくなっています。充電はUSB Type-Cで行い、15分の充電で4時間の再生が可能なクイック充電にも対応しています。
また、Qi規格でのワイヤレス充電も可能です。
Android端末と接続して使う:専用アプリでチューニング!
1MORE EVOは、Google Fast Pairに対応しています。ケースの蓋を開けるだけで、自動的に周囲のAndroid端末にダイアログが表示され、ワンタップで簡単にペアリングできます。
専用アプリで管理
1MORE MUSIC-
制作:1MORE Shen Zhen Acoustic Technology Co., Ltd.価格: 無料
1MORE製品には1MORE Musicという専用アプリがあり、AndroidならPlayストア、iOSならApp Storeでダウンロードできます。
アプリをインストールしても、対応するデバイスがその端末に接続されていなければ先へ進むことはできません。製品色を選ぶ画面は、先に進めた場合のみ現れます。
そしてクイックガイドが続きます。左上の〈をタップしてスキップすることもできますが、最初は読む方が良いでしょう。説明が終われば初期設定は終了です。
アプリの各機能
モード切り替え
初期設定を済ませてからは、アプリを起動すると、このような画面になります。機能がまとまっていて、ANCなど主だった機能は画面を移動せずここで操作できます。
アクティブノイズキャンセリングは、ディープ、マイルド、風切り音低減、スマート(自動調整)の4種類の設定があります。基本は自動調整してくれるスマートで良いと思います。
パススルー(外音取り込み)は、どこも強調せず取り込む環境パスと、声の周波数を増幅するボーカルエンハンスが選べます。
OTAファームウェアアップデート
ハイエンドモデルらしく、OTAファームウェアアップデートにも対応しています。現在はV1.0.0で安定しているのですが、発売前に頂いていたこともあり、これまではかなりアグレッシブにアップデートが来ていました。
SoundIDを使ってパーソナライズ!
1MORE EVOの大きな特徴の1つが、出荷前に7万を超えるスタジオで採用されているSonarworks社のソフトウェアでキャリブレーションされているという点です。ディスプレイでキャリブレーションしている例は、これまでもPCのクリエイター向け製品などで少数ありましたが、イヤホン、それもBluetoothイヤホンでキャリブレーションしている製品というのはかなり珍しいと言えるのではないでしょうか。
さらに、出荷前のキャリブレーションだけでなく、1MORE EVOはアプリで好みの音質にチューニングすることが可能です。
まず、テストに使用する音楽を決めます。様々なジャンルの曲が用意されているので、好みのものを選びましょう。あとは、AとBどちらが好みか?といういくつかの質問を答えていけば、勝手にチューニングしてくれます。自動でAとBが切り替わるわけではないので、タップして切り替えてください。
タッチ操作の割り当てを変更
今やハイエンドイヤホンでは当たり前になりつつありますが、1MORE EVOも例に漏れずタッチ操作の割り当てを変更できます。ダブルタップとトリプルタップを変更でき、シングルタップには操作が割り当てられていません。音声コントロールというのは、記事執筆時点では中国語にのみ対応しています。
スマートバーンイン(エージング)機能
アプリトップ画面右上の1MOREのアイコンをタップすると、実験的機能やサポートの連絡先がある画面に行けるのですが、そこにスマートバーンインという機能があります。
これは私自身かなり驚いたのですが、メーカー謹製の、いわゆるエージングのための機能です。バーンインを始めると、規定の時間ホワイトノイズのような音や、短い曲がループでかかったりします。これにより、効率的なエージングが可能になると謳っています。
第4フェーズまであり、全部するとなるとそれなりに時間がかかります。ずっと音を流し続けるわけではなく、定期的に20分間イヤホンを休ませる時間も組み込まれているので、オンにしたら放置しているだけで勝手にエージングしてくれます。ただ、アプリがタスクキルされてしまうとそこで中断されてしまうので、スマホによってはアプリを電力最適化から外したりする必要があります。
アプリにエージング機能が備わっているイヤホンは珍しいと思います。特に売りにはしていないようですが、ある程度知識のある方ならこの機能はかなり魅力的ではないでしょうか。
私もやってみたのですが、記事執筆までには時間的に間に合わず、終わらせることができなかったため音質は第4フェーズの途中のものを評価しています。
LDAC対応、Hi-Res Audio Wireless認証取得済み!
パッケージにもあったように、1MORE EVOはLDACに対応。日本オーディオ協会のHi-Res Audio Wireless認証も取得しています。
LDACはソニーによって開発されたBluetoothの音声圧縮コーデックで、Bluetoothの基本となるSBCの最大約3倍の情報量を転送することが可能です。エンコーダーはApache License 2.0の元で公開されており、Android Open Source Project(AOSP)にもAndroid 8.0から取り込まれているため、今日のAndroidデバイスの多くで使用できます。
LDACは、日本オーディオ協会の“Hi-Res Audio Wireless”に認定されたコーデック技術です。
LDACでもマルチポイント接続が可能!
実験的な機能としてマルチポイント接続にも対応しています。普通、マルチポイント接続はAACで対応しているイヤホンがほとんどです。しかし、1MORE EVOはLDACでもマルチポイント接続が可能。これも結構驚きで、高音質と利便性を両立しています。
実際に試してみると普通に使えましたし、これも音質にこだわりたい方にはかなりおすすめのポイントです。本製品以外には、PanasonicのEAH-AZ60などが対応していますが、27,000円以上する高級イヤホンですから、比ぶべくもありません。
実際に使ってみた感想――音質、ノイキャン性能など
装着感
本製品は、丸っこい豆のような形状をしています。こういうタイプを、私は勝手に取れやすいと思っていたのですが、実際にはそんなことはなく、しっかりフィット。どこかが痛くなるなんてこともなく、快適そのものでした。
音質
音質を評価する上で、SoundIDの扱いをどうすべきか、色々と考えました。正直、SoundIDオフだと、あまり良い音質だとは感じなかったのも正直なところです。
しかしアプリに備わっている機能まで含めて1MORE EVOという製品なのではないか?という結論に達したため、今回は、SoundIDを作成し、有効化した状態で音質を評価しています。
BAドライバーと10mm DLC ダイナミック型ドライバーのハイブリッド型を採用した1MORE EVO。その音質は、傾向としてはいわゆるドンシャリです。しかし、イヤなドンシャリというわけではなく、元気な音という感じです。先日レビューしたNeoBuds Proと比較すると、1MORE EVOはより低音が強いサウンドに仕上がっています。
Amazon Music Unlimited HDでLDACで端末と接続し、最近のHDやUltra HD対応の曲を聴いてみました。ドンシャリではありますが、音の解像度が高く、高音もキレイに鳴らしてくれてきらびやか。最初はちょっと低音が強すぎるのでは?と思いましたが、先述のスマートバーンインをやっていくと、次第に気にならなくなってきました。低音は結構質量があり、低価格帯の機種によくあるボワつきや不快感はありません。定位感も良く、音源が高品質だと、さらに良さが引き立ちます。
以前レビューしたEDIFIER NeoBuds Proと比較すると、1MORE EVOのほうが低音の質量がNeoBuds Proより重く、同じドンシャリ傾向でも、より”ドン”の占めるウェイトが大きい感じです。どちらも高音質なのは変わりなく、ここは個人の好みの話になってくると思います。
ANC、外音取り込み性能
1MOREのノイズキャンセリング機能には、QuietMaxという名称が付けられています。本製品の場合、公称ノイズキャンセリング性能は最大-42dBとなっています。
静かな場所で試して見ると顕著に分かるのですが、どうやらANCをオンにすると自動的に低域の音が強調されるようになっているようでした。ANCが必要となる環境では、低音が聴こえにくくなるから…という意図は分かるのですが、ここは低音を強調するのではなく、純粋にANCだけが使いたかったところです。ANCを使うのは、雑音がある環境でも、音量を上げずに音楽を楽しみたいからだと思うのです。そこで、いくら聴こえづらいからといってどこかの周波数帯を強調してしまうのは、本末転倒のような気がします。
ANCの強さですが、Soundcore Liberty 3 Proと同程度でした。EDIFIER NeoBuds Proのような強力さは無いですが、効きとしては十分でしょう。個人的には、ANCの強さよりも低域の強調をなんとかしてほしいところです。元々低音が強めですし、せめて設定でオフにできるとか…
バッテリー持ち
バッテリー持ちはAAC接続、ボリューム50%、ノイズキャンセリングオフで約8時間となっています。実際にLDAC接続でノイズキャンセリングオフで使ってみたところ、AnkerのSoundcore Liberty 3 Proよりは長く、大体EDIFIER NeoBuds Proと同じくらいに感じました。クイック充電機能もありますし、バッテリー持続時間としては十分だと思います。
その他
モード切り替えや、バッテリー残量低下など、動作音は声ではなく電子音になっています。
まとめ
これまで、1MOREのTWSは1万円以下の製品を中心に展開されてきました。本製品は、それを大きく超える通常価格19,990円で販売されます。これまで安価な製品を多く出してきたメーカーだと、高価な商品の性能に一抹の不安を覚えてしまうこともあるでしょう。
しかし、1MORE EVOにそんな心配は無用です。LDAC対応に加え、マルチポイント接続も可能。簡単にパーソナライズできるSoundIDや、公式のエージング機能…通常価格でも十分に価格以上の価値のあるイヤホンに仕上がっています。
1MORE EVOの通常価格は19,990円ですが、2022年5月10日から6月10日までの1ヶ月間限定で3,000円引きの16,990円で販売されます。