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Galaxy Z Fold3 5G レビュー:これが自分にとっての最適解、ポケットに入るミニタブレットは快適そのもの

Galaxy Z Fold3 5G(ドコモ版)を購入しました。この端末は本体を折り畳める「フォルダブル」と呼ばれており、折りたたむとスマートフォンとして、開放するとタブレットとして使えるすぐれもの。実際に契約してから2ヶ月近く常用し、非常に気に入ったのでレビューします。

筆者はGalaxy Z Fold3をケース未着用で使っており、本体のキズや打痕などが記事中に含まれます。ご了承ください。
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閉じればスマホ、開ければタブレット

前述したように、閉じた状態ではスマホとして使えます。横幅は体感ではiPhone SE(1世代)くらいに小さく感じます。これまで大画面のスマホを常用していたので、小型サイズでのフリック入力に慣れるまで時間がかかりましたが、今となってはスムーズに行なえます。

側面には電源ボタン兼指紋認証センサーがあり、高精度で爆速、側面にスッと手を当てるだけですぐに解除されます。

折りたたんだ状態ではスマホ約2台分となるわけで、16-14.4mmと分厚いです。

本体をパカッと開くと……。

大画面が出現。流石に見慣れましたが、購入当初は「この大画面は何度みても圧巻だな…」と開くたびに見惚れていました。なんというか、スマホを開くとと大画面が現れる感覚、なんとも不思議です。

ベゼルもかなり薄く、存在が気になりません。スマホのベゼルの薄さとはまた違う感覚でウットリ。「近未来的というよりも最新のガジェット」を使っている感じといいますか、とにかく「ガジェット」を使っている感じが強いです。スマホのベゼルレスは見慣れましたが、タブレットサイズのベゼルレスはあまり見ないからでしょうか。理由はともかく見とれてしまいます。

ひらいた状態では動画の視聴、ブラウジング、ゲームや読書までもが快適に行なえます。約7.6インチ(158.2mm×128.1mm)の大画面はスマートフォンやファブレットというよりも、ミニタブレットと例えるのが的確でしょう。これが折りたためてポケットに収まるのは画期的で、外でのコンテンツ消費や軽い資料の作成、ブラウジングがとにかく捗ります。

ちなみに、この記事もFold3で執筆しています。出先でサッと軽作業が行えるのは快適そのものです。

画面のリフレッシュレートも120HZと高く、視認性がいいです。ブラウジング時の視認性が向上し、目への負担がやわらぎます。

本体サイズがデカいだけあって、重量も約272gとiPhone 13 Pro Max(約238g)よりもカタログスペック上は重いです。実際に使ってみると重量バランスの影響か軽く感じます。ケースを着けるとやや重く感じるので、そこのところは注意が必要です。

詳しいことは後ほど説明しますが、とくに画面を分割して表示する機能が使いやすく資料を見ながら資料を作成したりと、PCでいうところのトリプルディスプレイ的な快適さがあります。

好きな角度で固定して使えるのは少年時代に遊んだDSを想起させる

また、画面角度を固定して使うこともできます。筆者の世代では「Nintendo DSi」の形状を思い出す使い方です。

ただ購入してから1ヶ月くらいは、うまく使いこなせませんでした。角度を固定して机の上に置いて写真を撮るといった使い方もしっくりこないし、スマホスタンド代わりに片側だけで動画を見るのもなあ……と。

うーん……。あまり使い道があるようには思えないし、平面でもいいよな……。と色々ボヤきながら、この記事を執筆に取り掛かかり始めたころでしょうか。横になりながら角度をつけて文字を入力してみたところ、想像よりも使いやすく驚き。そういえば、DSiを使っていた頃は角度をつけて使っていたな……と、うっすらと思い出しました。

上下で別のアプリを分割表示していると本当にDSiのようです。主にゲームを下部、そして上部にチャットや執筆画面を表示するのが快適。最初はボヤいていたこの機能、すっかり虜になってしまいました。

というかここにSペンがあればDSじゃん…。なんか、小学生の頃を思い出してしまいます。

悩ましい文字入力、今のところはフローティングに落ち着いているが…

開けばタブレットになるわけですが、外で使うときに片手で入力するのはきつい。でも毎回閉じるのは面倒くさいし、寿命を減らしそうでモヤモヤ……。電車内で立っているときは両手を塞ぐわけにはいかないので、片手操作を強いられるわけですが…。

そんなときに「Gboard」のフローティングです。今まで使う機会がありませんでしたが、Fold3を購入してから「あ、こう使えばいいのか」というのがわかりました。

ただ、やはり片手で持ちながらというのは、バンカーリングなどのサポートアクセサリーをつけていないと不安定で心もとないです。他にいい入力方法を見つけるか、アクセサリーを買うなりしないと「開いた状態で常用」は厳しいように感じます。

画面内埋め込み式カメラはたまに気になる

Galaxy Z Fold3のメインディスプレイ側は画面内埋込式カメラを採用しており、使っていてもほとんどインカメラが気になりません。

とはいっても、目視はできるので、気になるときもあります。ただ、従来のパンチホール(画面内に穴を開けてカメラを埋め込む機構)ほどではなく、動画視聴やゲーム時に物凄い気になるかと言われたらそうでもなく、意識して見なければ存在を感じません。

正直、展示機を見たときは「うわぁ……これはないな……」が正直な感想でしたが、埋め込みカメラ部に注意が向きすぎていただけでした。いざ使ってみるとあまり気にならず、実用レベルに達しています。

高いOS完成度だが痒いところに手が届かないのが痛い

本体の機構にも驚かされましたが、折りたたみスマホ向けにしっかりと設計されたOSにも感心してしまいました。初代から一貫しているのか?それとも3代にわたり着実と改善していったのか?詳しいことはわかりませんが快適そのものです。

最大3分割の表示に対応

とにかく快適なのが分割表示の機能です。筆者は集中したいとき以外はマルチタスクを行います。LINEを返しながら動画をみたり、文章を書いたり、ゲームを並列で勧めたりなど。筆者はゲームの周回をしないのですが、それをする人にも刺さりそうですね。

ちなみに、複数アプリの表示は横に表示されているグレーの横棒からエッジパネルを呼び出し、表示したいアプリを画面内にドラッグで行なえます。もちろん3画面だけでなく、2画面にも対応。

プリセットの作成も可能で、タップするだけで3つのアプリが同時に起動し、分割表示します。もちろん、2画面も可能です。よく使うアプリもここに固定できます。

ナビゲーションボタンが右下配置

ナビゲーションボタンが標準で右下に配置されているのは「片手で使用」を想定しているからでしょうか。筆者はジャスチャーバー派なのですがナビゲーションボタン派の人にとっては使いやすいとおもいます。設定から左端にもできます。

画面を閉じても外画面で継続してアプリを使用可能

開いた状態で操作していたアプリを閉じてもそのままつかえます。この機能を使うためにはアプリごとに個別で設定しなければいけません。また、非対応のアプリもあります。

Game Launcherでよりゲームを楽しめる

Game Launcherでゲームをより楽しめます。インストール済のゲーム一覧に簡単にアクセスしたり、それらの通知を見ることも。

「インスタントプレイ」ではゲームをダウンロードせずに即席で遊べます。シンプルなゲームが多く、いい暇つぶしになるのではないでしょうか。

ゲームリストに任意のアプリを追加することも可能で、フリマアプリなども追加できます。ただし、自分で追加したアプリはDiscordのステータスに表示されません。そこは注意です。

プレイ時間の確認もできます。

痒いところに手が届かない

全体的な完成度は非常に高く、ああ、流石は世界シェア率が高いだけあるな、と関心してしまいました。しかし、その反面他社製品ではよくある「痒いところに手が届く機能」がなかったりします。

たとえば、標準でダークモードをアプリに強制適応できないこと。メーカーが独自にカスタマイズを施した一部のOSではこの機能が標準で実装されており、愛用してた私にはちょっと不満です。

一応、開発者オプションから「ダークモードを強制実行」を有効にすれば強制適用できます。ただ、他のOSではそれをアプリ毎に有効/無効の選択ができるので、少々物足りないです。

また、端末を再起動すると「ダークモードを強制実行」が無効になってしまい、再度有効化する必要があり面倒です。それだけでなく、アプリの複製にも非対応なのも「痒いところに手が届かないな」と思ってしまいます。

正直、ダークテーマやアプリ複製はマニアックな機能ではあるので、割り切ることはできます。ただ、スワイプジェスチャー→ナビゲーションボタンを3分割して置き換えるモードが右下で3分割する配置ではなく、下部の全領域で3分割になるのは不満です。ナビゲーションボタンは右、左下配置を選べるのに、ジェスチャーはなぜか選べません。筆者はこの操作方法が1番好きなだけに残念です。

Samsung DeXでPC化もできる、究極のロマン

一部のGalaxy端末は『Samsung DeX』に対応しており、外部ディスプレイやキーボード・マウスと接続することでPCのように使えます。Fold3も対応しており、開けばタブレット、閉じればスマホ、モニターと接続すればパソコンのように使える柔軟さ。なんともロマンの塊です。

なにはさておき、執筆やSnapseedによる写真編集、ネットサーフィンなどに使ってみましたが、この程度なら難なくできました。軽い作業ならこれで十分です。

ゲームも並列で起動して進行できます。

カメラ性能

Galaxy Z Fold3には3つのカメラが搭載されています。上のカメラからそれぞれ超広角、広角(標準)、望遠です。それぞれのカメラで撮影してみました。どうぞ作例をご覧ください。

※それぞれタップで拡大します。

メインカメラ

全体的に色濃く写っていて、派手派手しく、好みは分かれそうというのが正直な感想。

超広角

超広角レンズでは広々と風景を写せます。綺麗な風景を見た日の記録として使うとよさそうですね。

空の写真超広角モードはGalaxyの派手なAI補正と合っていて好きです。

望遠

望遠にて撮影しました。倍率はバラバラですが、AI補正のおかげも相まってキレイに写っています。

ex:食べ物、夜景、人物

食べ物や夜景、人物なども撮影してみました。こちらは神奈川県にある伊勢山公園から撮影。

ラーメンの写真です。スープの質感や脂やチャーシューのきめ細かさなど相まって美味しそうに撮れていますよね。

東京駅の夜景。雨の日は光源が反射してキレイですよね。それを余すことなく、しっかりと撮影できています。


その他フジテレビや東京国際フォーラムの夜景など。Galaxyの夜景撮影モードは通常撮影同様、派手に写りますね。

人物も撮影しました…。というよりも撮影されました。筆者が被写体になっています。自画自賛しているわけではないのですが、背景のボケとか、思いの外キレイに写っていて驚きです。

FeliCaと防水に対応

Fold2まではFeliCa、そして防水に非対応だったのですが、Fold3からようやくその2つに対応しました。これらの有無で快適性が変わってきますし、特にFeliCa対応は感動してしまうレベルで快適。今まではFeliCa内蔵スマートウォッチと組み合わせたり、専用端末を常備していたのですが、そんな煩雑なことはもう考えず、縛られずに使えるのは素晴らしい。自由!!

バッテリー持ち

バッテリーの持ちは悪めです。正直、充電せずにマルチタスクでガッツリと使っていたら半日も持ちません。

省電力モードを有効にすればマシになるものの、ゲームで遊んだり動画を見ていると厳しいように感じます。12時→23時までLINEを返したり軽いブラウジングをする程度の使い方だと12%くらい残っていましたが、それでもこの減り具合なので、期待はできないでしょう。

バッテリー持ちを力技で解決!SIMカードを抜いてサブ端末に移す!

そんなバッテリー持ちの悪さを改善する方法として思いついたのがSIMを挿さずに運用することです。本末転倒ではありつつも、サブ端末にSIMを移してDSDV運用をすればバッテリー持ちのストレスから解放されます。…いや、それはどうなんだ?とは思いますが、これが最適解なんですよね。

ベンチマーク性能

『Antutu Benchmark』を用いてスマートフォンの性能を測ってみました。結果としては75万5122点と、Snapdragon 888を搭載した端末の中では低い方の結果に。普通なら80万点前後のはずなのですが、はて。個体差なのか環境なのか?一応、2回測定したのですが、75万点より上のスコアは出ませんでした。

しばらく使ってみて、これこそが自分の最適解だと知る

実際に2ヶ月ほど使ってみました。総評はとにかく快適、普通のスマホに戻れなくなる……。といったところでしょうか。どこがそんなにいいのかと言われると、やはりポケットに入る大画面ですね。

そしてマルチタスク機能。他にもいいところはありますが、この2つに尽きます。もちろん、欠点もあるのですが、そんなのがどうでもよくなるほど快適です。

写真編集…ネットサーフィン…そしてゲームなど、あらゆることが「ちょうどいい大画面」で、どこでも手軽にできるのは折りたたみスマホの特権で間違いなし。申し分ないくらいに快適で、大満足です。

ピッタリとフィットする人にとっては、23万という価格こそネックですが、価格に見合った、いやそれ以上の体験が待っています。でも、スマホを2年後に返却する「おかえしプログラム」を使えば半値で2年間も使えてしまうんですよね。個人的に、Android端末は最長でも2年に1度買い替えるべきだと思っているので、この制度は非常にありがたいです。

筆者はスマホなどのガジェットが趣味で新製品を買ってしまいがちでしたが、カメラ用端末を1台だけ購入して、もうしばらくは買わないでいいかな?と思えてきました。「Galaxy Z Fold3」はそれくらいインパクトのある、非常にいい端末です。あ、実際に購入するのなら、高額な物ですし、開け閉めの機構もあるので「もしも」に備えて保証の加入をお忘れなく。

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