Sonyから発売されている「Xperia 1 III」を購入し、しばらく使い込んでみました。Xperiaといえば、筆者が中学生の時に使っていたXperia Z3(SO-01G)あたりが名機と呼ばれています。というのも、当時のAndroid機では珍しい画面録画対応、そしてG-Masterのレンズを搭載、デザインも高級感があってよく、画面もデカい、そして4K動画の撮影も対応という充実ぶりだったのです。
当時、iPhone 5sとAQUOS ZETAを使用していた筆者は惹かれるものがあり、すぐさま親に頭を下げて機種変したと憶えています。というか、機種変しない理由がありませんでした。あれから数年。筆者は大学生になり、ZEISS製の可変式望遠レンズに4K/120HZ有機ELディスプレイなど、買い換えない理由がないスマホが発売されてしまったのです。
そう、それこそがXperia 1 「III」。そして、かつてワクワクしてたまらなかったスマホはXperia Z「3」。これはもはや運命です。さて、結論からいうと、めちゃくちゃいい。筆者はXperia 1 II→1 IIIに機種変したのですが、買い替えた価値は確実にありました。レビューをお届けします。
なお、筆者のXperia 1 IIIは香港版(XQ-BC72)です。今年の3月にXperia 1 IIを購入して数年ぶりにXperiaを触れ、1 IIのよさを実感した上で1 IIIを購入しました。
- 4K/120HZの縦長有機ELディスプレイ
- 縦長で細い、手が小さくても使える
- 可変式望遠レンズで劣化の少ない望遠性能を実現
- スマホではトップクラスのイヤホンジャック性能
- PHoto Proが最高!!!
↑こちらは国内SIMフリー版。
目次(見たいところからチェック!)
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Xperia 1 IIIのデザイン
Xperia 1 IIIをデザインはマット仕様になっており、落ち着いていながらも上品な仕上がりです。
右側面には電源ボタン。指紋センサーもここに内蔵されています。電源ボタンと指紋センサーが一体化されているのは、ポケットから取り出した時に、サクッと指紋を認証できて超便利です。
左側面にSIMトレー。国内版含めてSIMフリー版のものはDSDVに対応(SIMスロット2はMicro SDカードとの排他式)します。
さて、キャリア版のモデルはSIMトレーを抜いたら強制再起動がかかります。しかし、このモデルはそれがない。これは快挙ですよ。誰も得しない強制再起動、なんのために載っているか意味がわかりませんでした。
下部にはType-Cポート、マイク穴。上部と合わせて2基搭載しています。
上部にはイヤホンジャックと2つめのマイク穴。後述しますがこのイヤホンジャック、スマホとは思えないくらい音質がいいです。かつて使っていた、ONKYOの音質重視変態スマホ、GRANBEATと肩を並べられるのではないかとおもいます。
4K/120HZの唯一無二のディスプレイを搭載、これがロマンだ
Xperia 1 IIIには4K/120Hz対応の有機ELが採用されています。これにより、高解像度と高リフレッシュレートと、夢のような体験を実現しました。
さて、過去に、Xperia Z5 Premiumという、4Kディスプレイを搭載したモデルがありました。その時、スマホに4Kは不要だ。などの否定的な意見を目にしました。そして、今も同じような考えの方がいらっしゃいます。それはある意味おっしゃるとおりです。正直、スマホのサイズであれば、QHD+120Hzで十分。というか、それでもオーバースペックなところはあります。しかし!4K/120HZの魅力はそうでなく、ポケットサイズでそれを実現するところにあるのです。
4K/120HZディスプレイを搭載しているだけあって、色調調整にも対応。自分にあった発色は人それぞれ違いますから、自分がイイ!と思える発色にできるのは映像機器を製造しているSonyらしさを感じます。
ダイナミックバイブレーションで映像視聴時により高い没入感を
4Kのディスプレイだけではありません。映画やアニメを観ているときに「ダイナミックバイブレーション」で本体が振動し、緊張感や躍動感を肌で感じられます。
使い心地
日常的な使い方において、不便に感じるシーンはありませんでした。本体が横幅約71mmと比較的小型で手にスッポリと収まります。横幅の広いスマホを使用していると慣れるまでに時間を要しますが、慣れると片手操作がラクラクです。
とくに、フリック入力のしやすさはバツグンです。「慣れ」もありますが、小型な本体サイズは日本人の手に収まりやすいため、指を無理に動かさず、片手で操作できます。ただし、ローマ字入力は厳しいかもしれません。とはいっても、一昔前ならこれくらいのサイズでローマ字入力していたんですよね…。
バッテリー持ち
性能と引き換えに発熱と消費電力が上がってしまったSnapdragon 888を搭載したXperia 1 IIIですが、4K/120HZを有効にした状態でもバッテリー持ちは良好です。筆者が所有していたXiaomi Mi 11、OnePlus 9 Proなどは体感上、夜にバッテリーが切れるか切れないかの瀬戸際でしたが、1 IIIは1日もちます。
バッテリーの持ちを確認する「PC Mark」で測定してみたところ、7時間50分の結果に。右側の結果はOnePlus 9 Proのものですが、Xperia 1 IIIのほうがどうにも短いですね…。体感上はもっと持つ気がするのですが、気のせい?
サイドセンスが便利
側面をタッチすることでメニューを呼び出せるサイドセンスが快適そのものです。1 IIにもこの機能がついていたのですが、タッチしても反応しないことが多々あり、呼び出すのにはコツがいりました。そんな不満も1 IIIでは払拭。かなり反応が良くなったと思います。
21:9の縦長画面を活かして動画をみながらメッセージの返信なども
21:9の縦長画面はマルチタスクでも役に立ちます。上で動画をみながら下でメッセージの返信をしたり。それだけでなく、ソシャゲを周回しながらTwitterをしたり、使い方は無限大です。
いたわり充電でバッテリー劣化を緩やかに
バッテリー劣化を緩やかにする「いたわり充電」も搭載されています。
この機能ではよく充電する時間をAIが自動で認識して、その時間は充電をゆるやかに行うことで、バッテリーの劣化を抑えてくれるというもの。
自分が寝ている間に充電している方も多いはず。そんなときに高速充電して満充電状態が長く続くとバッテリーの寿命が縮みます。いたわり充電を使えばちょうど起きる時間帯に満充電になるようにしてくれます。
なお、オートモードではなく、指定した時間のみいたわり充電を有効にすることもできます。
ゲームの遊び心地
いまや、スマホゲームはたまにする程度なのですが、ガッツリと遊んでいた時期もありました。そこで、ゲームの動作は快適なのか、操作はしやすいのかも徹底的にチェックしてみました。
遊んだゲームは『アイドルマスターシンデレラガールズ スターライトステージ』『原神』『Cytus』『Call of Duty Mobile』『幻想のイデア』『どうぶつタワーバトル』の6タイトル。重量級の3Dゲームの遊びやすさだけでなく、リズムゲームやパズルゲームもどき、そしてノベルゲームまで幅広くチェックします。
3Dアクションゲームの『原神』『Call of duty Mobile』
まずはビッグタイトルの『原神』にFPSでは知名度の高い『Call of duty Mobile』です。
『原神』は120Hzに非対応のため、ディスプレイの恩恵を受けにくいところですが、『Call of duty Mobile』は120Hzに対応します。また、対人ゲームということもあり、60Hzのプレイヤーよりも有利に戦えます。
原神は設定を最高にしても余裕で動きます。それだけでなく、ディスプレイの発色もよくかなりキレイです。ただし、それなりに発熱はします。
Call of Duty Mobileは120Hz表示に対応しているだけあって撃ち合いにも勝ちやすくなります。
リズムゲームの『アイドルマスターシンデレラガールズ スターライトステージ』
リズムゲームの中でも、『アイドルマスターシンデレラガールズ』は反応抜けや音ズレなどが頻発するゲームであり、端末を新調したのに音ズレすんのかよ!!と怒っている方をよくみます。さあ、Xperia 1 IIIでは無反応が起きるのでしょうか?実際にプレイしてみました。
アイドルマスターシンデレラガールズでは3Dリッチを有効した状態で「Fascinate」のマスター譜面に挑戦。(普段はタブレットでやっているので慣れない…。)
親指でやるとき、本体が縦に長い(横画面なので横長)とプレイしにくいかな?と思ったのですが、そうでもありませんでした。3Dモードでプレイすると没入感が高まりますし、むしろ小さなシアターで遊んでいる感覚。
Xperia 1 III は21:9の縦長ディスプレイなので、こういったゲームは余白ができるかな?と思っていたのですが、ちゃんとフルにディスプレイを使っており、いい意味で期待を裏切られました。
で、肝心の無反応なのですが、正直なことをいうと起きます。デレステで遊ぶ人は慎重になったほうがいいです。
その他、『どうぶつタワーバトル』『幻想のイデア』
負荷のすくないシンプルなゲームでも検証してみました。『どうぶつタワーバトル』はランダムに引き当てる動物を積んでいって、先に崩したほうが負けというもの。『幻想のイデア』はノベルゲームです。
どうぶつタワーバトルは本体サイズが小型だからか誤タップをすることがなく、大画面のスマホよりも勝率が安定します。
『幻想のイデア』はノベルゲームで、操作性がどうこうなどはあまりないのですが、ディスプレイの品質がいいだけあって世界観やイラストをより鮮明に楽しめます。また、本体サイズが小型なだけあって、スマートにギャルゲーを遊べます。
ゲームエンハンスでゲームをより快適に
ゲームエンハンスではゲーム中の発色やパフォーマンスを優先するか、省電力を優先するかなど、細かいところを設定できます。録画やスクリーンショットも。
イコライザーで各音域を調整することも。FPSやバトロワなどの足音が重要になるゲームでは低音を増すことで足音が聞き取りやすくなります。
ゲームに行き詰まると攻略サイトに頼りたくなりますよね。そんなときは「マルチタスク」から攻略サイトを検索でき、情報を表示しながらゲームできます。
それとは別に、自分の好きなアプリをゲームの上に表示することも。TwitterやLINEをしながらまったりと作業ゲーができるのはいいですね。
ゲームをプレイした所感など
色々なゲームで遊んで思ったのですが、Xperia 1 IIIは「携帯ゲーム機」としてアリかもしれませんね。専用機として使う人は稀かもしれませんが、ハイエンドにしては本体サイズが小柄で軽いため、「Android搭載の携帯ゲーム機」としてのポテンシャルは秘めてそうです。それならゲーミングスマホを買うわ!とはなりますが、ロマンとしては魅力的ですね。
Antutuベンチマーク
『Antutu Benchmark』でスマートフォンの性能を数値化しました。結果としては823,364点。Android端末の中では最高峰の性能をほこります。
カメラ性能
お待たせいたしました。期待している方も多いカメラ性能について触れてきます。
Xperia 1 IIIには3つのカメラが搭載されています。上から順に、超広角、メイン、可変式望遠レンズです。そのなかでも、可変式望遠レンズは名前の通りレンズが動き、70mmと105mmの2つの焦点距離で撮影できます。
オート(BASICモード)での撮影
以下、実際にXperia 1 IIIで撮影した作例をご覧ください。オートで撮影したものです。
メインレンズの作例
メインレンズでの作例は黒が引き締まった感じに、どちらかといえば「目で見たままの色合い」になります。
可変式望遠レンズの作例
可変望遠式レンズではディティールがクッキリとしていて、劣化を感じさせません。
超広角レンズの作例
超広角レンズで都市のビル群や風景を撮影すると、開放感、そして躍動感のある撮影ができます。
オート撮影は仮の姿___秘技「PhotoPro」マニュアル撮影!!
Xperia 1 IIIには『カメラ』アプリが存在せず『PhotoPro』というアプリで写真を撮影します。
え?どういうこと?と思った方もいるのではないでしょうか。『Photo Pro』はXperia 1 IIで初搭載され、『カメラ』アプリとは別々でそれぞれ独立していました。これがXperia 1 IIIでは『カメラ』から『Photo Pro』に統一されました。
『Photo Pro』を起動した画面です。様々な項目がアプリ内にならんでいるのがわかります。そして、これはオート撮影の画面で、まだ真価を発揮できていません。さて、真価を発揮するためには…。
上部にある「BASIC」を「P」モードに変更してください。すると…。
UIが切り替わり、玄人じみた画面になります。難しいんじゃないの…?と尻込みする方もいらっしゃるでしょう。そんなことはありませんたとえば、この状態で写真を撮影します。
そうすると、変哲もない普通の写真になります。
ところが、画面上にあるEV(露出)値を1にずらして撮影すると…。
一変してふんわりとした、明るいイメージの写真に仕上がります。そう、これこそが秘技「マニュアル撮影」なのです。
もちろん、他社製のスマートフォンにもマニュアル撮影モードは存在しますし、それでいいじゃん!となるかもしれません。しかし、他社製のUIはPhotoProほど考えられておらず、あくまでおまけ程度のものです。そして、PhotoProほど細かい設定はなく、画作りは確実に劣ります。そんな「PhotoPro」で撮影した作例をご覧ください。
デジタルズームを併用した写真も含まれます。
メインレンズの作例
私は明るく、華やかな夜景よりも暗めの、落ち着きのある夜景が好きなのですが、そういった画作りも自由自在。もちろん、他社のスマホでも似たような事はできるのですが、Photo Proの操作感は秀逸で唯一無二といったところでしょうか。
可変式望遠レンズの作例
こちらは望遠レンズで撮影。ディテールがハッキリとしており、クックリとしています。それだけでなく、暗所でもキッチリと取れており、1 IIからの着実な進化は感動モノです。
超広角レンズの作例
超広角レンズで撮影しました。全体的に臨場感あふれる仕上がりとなっており、夜景もシッカリと撮影できています。こう、超広角は特にSONYらしい写りで、「SONYのカメラとZEISSの組み合わせで見たことある画作りだな」と感じることが多いです。特に、建造物のガラスとかを見るとそれそのもので、ちゃんとカメラ部門が監修していることがよくわかります。
AIカメラの手軽さもありますが、自分で手を加えるマニュアル撮影もたまらないでしょう。AIカメラのインスタ映えする写真は私も好きですが、かならずしもベストな写真が撮れるわけではありません。むしろ、手動撮影のほうが「自分の作品」に落としていく醍醐味があります。ただ、手軽に映える画には仕上がらないため、そういった層にはおすすめできません。マニア向けなところはありますね。
余談になりますが、1 IIIで撮影するために多額の交通費を払って各地へ遊びにいってきました。1 IIIと共に未知なる地へ訪れ、写真を撮る。もう最高でした。筆者をこんなにも駆り立てたスマホは1 IIIだけです。
掲載してある写真は高画質なものを以下から確認できます。
RAW現像でより自分色に
カメラで撮影した写真は一般的に、jpegで保存されます。もちろん、jpeg保存でもいいのですが、Xperia 1 IIIではRAW形式でも保存できます。
RAW形式ってなに?という方のために簡単に説明しておくと、写真の生データです。jpeg形式で保存したものは圧縮、そしてAIによる補正の手間が加えられています。しかし、RAWではその行程を行う前の、レンズから取り込んだ情報を保存するといったもの。そして、『Snapseed』などの対応アプリでそれを編集することで、以下のような作例ができます。
横にスクロールすると編集前後で比較できます。RAWファイルを編集するだけでだいぶ印象が変わりますよね。Xperia 1 III以外でもRAW保存できる機種は多いので、お持ちでない方もぜひ。大体のスマホはカメラアプリの設定から「RAWで保存を有効」にすれば、RAWで保存できます。
リアルタイムトラッキングで被写体を自動追従
車などの動く被写体を追従し。ピントを自動的に合わせる「リアルタイムトラッキング」が搭載されています。これが秀逸で、乗り物だけでなく風で揺れる花など、動くものなら基本的にトラッキング可能です。(まさかぬいぐるみを検知するとは思いませんでした)
個人的にこれは花を撮影するときに便利です。それだけでなく、動き回るお子さんの写真を撮りたい方にももってこいだと思います。
クリエイティブフィルター適応でレトロチックな写真や魚眼撮影も
クリエイティブフィルターを適応すると写真の雰囲気が一変します。この写真はクリエイティブフィルターの「ノスタルジック」を適応して撮影したのですが、かなりレトロでフィルムライクになって楽しいですよ。
映画のような雰囲気ある動画が撮れる「CinemaPro」
映画のような雰囲気ある動画を撮れる「CinemaPro」を搭載しています。プロ向けのソフトウェアで、Xperiaを購入すると無償でついてきます。
「CInemaPro」ではフィルターをかけたり、各種設定項目をいじることで明るさを変えたりできます。ただし、できるのは「撮影」だけ。撮影した動画にフィルターをかける「後付け」はできません。編集でできることは、カット→貼り付けで複数の動画を1つにまとめるくらいです。
さて、動画を1本制作してみました。ご覧ください。
今回撮影したのは「OREFOLDERライターが料理するだけ」。それにしても、卵ヒックリ返すの難しいですね……。ちなみに、この動画は三脚を使って撮影しています。
オーディオ:イヤホンジャック直差しの音質はスマホの中で最高クラス
Xperia 1 IIIはDAC部にCS85l41を2機搭載、CS40l2xを1機搭載しています。さて、贅沢にハイレゾ楽曲を3曲きいて感想を書きました。視聴に使用したアプリは純正。イヤホンは「MOONDROP ILLUMINATION」を「秋月」にリケーブルしています。DSEE Ultimate有効。
ERIS Legend of Gaidelia
オーケストラチックな曲です。イヤホンの性能がいいのもありますが、音場がスマホとは思えないくらい広く、スケールが一線を画しています。分離感も良好。普通のスマホなら埋もれてしまう繊細な部分もしっかりと聴こえます。音楽が表す世界に引き込んでくるような、そんな感じです。
Fascinate(M@STER VERSION)- 黒埼ちとせ・白雪千夜
女性ボーカルのデュエット曲。いわゆる、芯のある女性の声と中高音が混合しているのですが、中高音、そして低音をよどみなく鳴らしてくれます。ボーカルは前、BGMは後ろと役割が明確です。ボーカルを引き立てるタイプの音作りですね。
ファッション Yunomi feat rinahamu
EDMベースのメロディー(Kawaii Furure bass)×女性ボーカル。『ERIS Legend of Gaidelia』のように迫力をかなり感じます。低音も余すことなくでており、ややフラットよりですが、高音域が結構ちから強い。フラットなドンシャリといったところでしょうか。それだけでなく、このジャンルにありがちなピコピコ打ち込み音もハッキリと綺麗に聴こえます。
DSEE Ultimate・3D Spetial Sound
手持ちの音源の音質を上げる機能「DSEE Ultimate」、SONYのBluetoothスピーカーでおなじみの「3Dサウンド」機能などにも注力しています。これがまたすごくて、前者は音質が向上し、後者は音が立体に。「DSEE Ultimate」自体は1 IIからあったのですが、1 IIIでは鬼に金棒。順当な進化を遂げています。
1 IIのイヤホンジャックと比べて
Xperia 1 IIIのオーディオ性能は先代1 IIから向上しており、そのなかでも低音の濁りが激減しています。また、中高音域も同様に解像度が向上。これだけでは「いい音」のように捉えられるかもしれません。実際にはドンシャリサウンド感がましており、解像度こそは高いのですが、聴いているとキツくなってきます。もちろん、イヤホンとの相性もあるので一概には言えませんが、私は1 IIのほうが好みでした。オーディオに限らずですが、最新のものが必ずしも優れているわけではありません。しかし、解像度的な意味では1 IIIのほうが確実にいいので、好みの分かれどころです。
端的に言うなら、音圧が上がった感じですね。
防水性能
さあ、最後は防水性能をチェックします。Xperiaはスマートフォン黎明期より防水性能をアピールしており、お世話になった人も多いはず。さて、筆者の使っているXperia 1 IIIは海外版です。海外版のモデルは国内キャリア版のような保証は一切なく、故障しても国内でのサポートを受けることはできません。つまり、壊れたら一巻の終わりなわけです。
そんなXperiaを信じて入水!3分ほど放置します。
……!無事でした!!!!!!!操作も問題なく受付ます!
保証は一切なく、やるなら自己責任ですが、このくらいなら耐えれるのではないでしょうか。スペック上の防水性能はIPX5/IPX8ありますからね。
ここが惜しかった!
- 国内版の最安が15万円
- OSが良くも悪くも標準的
- オートでの撮影は賛否両論
国内キャリア版は最低でも15万円
絶賛してきたXperia 1 IIIですが、いいところばかりではありません。まず、価格がべらぼうに高いです。海外版は13万円台に落ちてきましたが、国内キャリア版はドコモ版が最安の15万。15万……!?!?15万ですよ!!!!!。冷静になるとそんなに出せるかボケ!と悩む価格です。他キャリア版はもっと高い。SIMフリー版は15.9万円。
でも、それだけの技術が詰め込まれていますし、価値を感じるのであれば買いだとは思います。それでも、高いものは高いんですけど。
OSは標準的
Xperia 1 IIIのOSは標準的です。GalaxyのOneUI、XiaomiのMIUI、OPPOのColor OSなどに慣れていて、それらを便利だと感じている方には物足りないかもしれません。具体的には、アプリの一括終了が画面の下からできない。テーマストアがない。デュアルアプリに標準で非対応など。
このあたりは慣れればどうにでもなるのですが、独自機能を重宝している方は吟味した方がいいと思います。
ただ、シンプルに仕上がっていますし、シンプルでわかりやすいといった利点はあります。
オートでの撮影は賛否両論
オートで撮影した写真の評価は賛否両論あります。具体例をあげると夜景や食べ物の写真です。
PixelやGalaxyはAIが自動で映えるような写真に調整するので何も考えずにキレイに撮れ、肉眼で見たままに近い画作りをするXperiaは劣勢です。しかし、元の色とかけ離れた色味にならないのはXperiaの利点ともいえます。手間はかかりますがPhoto Proで調整することもできます。とはいえ、やはり賛否…というか好みの分かれるポイントでしょう。
高かったけど買ってよかった!独自機能に価値を見いだせるのなら購入するべき!!
しばらくXperia 1 IIIを使い倒しましたが、本当に買ってよかったです。
最近では1型センサーを搭載する「AQUOS R6」や120Hzとマクロレンズに対応した「iPhone 13 Pro」、そしてライバル機種の「Galaxy S21 Ultra」など、挙げたらキリがないのですが、普通に使うのであれば「Xperia 1 III」よりも優秀なスマホがたくさんあります。しかし、本機のよさは「ロマン」だと筆者は確信していて、受け身で使えるスマホを求めている方にとってはオススメできないスマホです。
この記事を読んで、Xperia 1 IIIにビビッときた人、単純なスペックやAI補正などでは計り知れないよさに惹かれた方々にとっては有力な選択肢になると思います。そのなかでも、PhotoProに魅力を感じた人は買うべきです。逆に、そういったところに惹かれなかったのなら、15万円で他のスマホを買ったほうが幸せになれます。
Xperia 1IIIにビビッときた人、買っちゃいましょう!私のベストバイ2021はダントツでXperia 1 IIIです!
長文でしたが、読んでいただきありがとうございました。