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【コラム】SIMロック原則禁止でキャリア版に対するSIMフリー版という言葉がどう変わるのだろうか

総務省のガイドラインの改正により、2021年10月1日以降に発売されるスマートフォンは原則SIMロックが禁止されます。

これにより、ドコモやauなどから発売される端末もSIMロックされていないスマートフォン、つまりSIMフリースマートフォンとなります。こうなると、今までキャリアから出る「キャリア版」に対し使われてきた「SIMフリー版」という言葉がちょっとおかしくなってきます。

今度どう呼べばいいのか、まだぼんやりとですが考え始められてきています。(公式なものではなく、メディアや個々人として)

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キャリア版とSIMフリー版とSIMフリースマートフォン

なぜ「SIMフリー版」という言葉がおかしくなるのか、ちょっと整理してみます。国内で販売されるスマホはだいたい以下の3つに分けられます。

キャリアから販売されるスマホ

ドコモ・au・ソフトバンク・楽天モバイルから販売されるスマホです。UQ mobileやワイモバイルから販売される端末もここに入る場合があります。

過去の話ではありますが、基本的にこれらキャリアから販売されるスマホは、そのキャリアのSIMを使わないと通信できないようにロックが掛けられていました。これがSIMロックです。

ただ、楽天モバイルのスマホはすべてロックが掛かっておらずSIMフリー(SIMロックフリー)で販売されています。また、ほかのキャリアについても近年は

というものも出てきました。ただ、今回の話題となる「キャリア版」は厳密にはこれではなく、これらはあくまで「キャリアから販売される端末」です。

メーカーや量販店、MVNOから販売されるスマホ

キャリからではなく、メーカーが直接自社サイトや量販店、ECサイトにて販売したり、MVNOで格安SIMとセットで販売されるスマートフォン、これらはSIMロックが掛かっていません。なのでまとめて「SIMフリースマートフォン」と呼ばれています。

まれに、限定カラーだったり、MVNO独自のアプリがプリインストールされている場合はそのMVNOの名前をとって◯◯版と呼ばれることはあります。

キャリアとメーカー両方から販売されるスマホ

そして、基本的には同じ機種がキャリアとメーカー(量販店・MVNO)から販売される場合があります。基本的には同じなのですが、キャリアから販売されるものはキャリア版、対してそれ以外から販売されるものはSIMフリー版と呼ばれてきました。

例えば、ソニーのXperia 1 IIはドコモとauから販売されていますが(キャリア版)、ソニーストアでも販売されています(SIMフリー版・SIMフリーモデル)。今回の話題はここです。

キャリア版はSIMロックが掛かっており、使用可能な周波数帯も制限されているなど販売キャリアに合わせたものになっています。

SIMフリー版はSIMロックが掛かっておらず、どのキャリア(やMVNO)のSIMでも使えるように使える周波数帯が多かったりします。

SIMフリー版に変わる言葉を考えよう

今までは基本的に「キャリア版」はSIMロックがあったのでそれ以外を「SIMフリー版」と呼ぶのは問題ありませんでした。ただ、10月1日以降に発売されるものは「キャリア版」もSIMフリーです。「SIMフリー版」が「キャリア版」を含んでしまうことになるので、キャリア版との対比として使うのは不適切となってしまいます。

一応書いておきますが、キャリアではなくメーカーから販売されるSIMロックのかかってないスマートフォンを「SIMフリースマートフォン」と呼ぶのは間違ってないので今後も使っていいと思います。キャリア販売のものとの対比として使う場合に適切ではない、ということです。

さて、どう呼ぼう?

では今後、今まで「SIMフリー版」としてきたものをどう呼ぼうか?というのはIT/スマホ系のライターやブロガーでも微妙に話題となっています。

オープンマーケット(オープン市場)、メーカー、ノンキャリア、そんなところでしょうか。個人的にはメーカー版かなぁ?と思っていたのですが、一応Twitterでアンケートも取ってみました。

結果としては今まで通り「SIMフリーモデル/SIMフリー版」と呼ぶのが一番しっくり来るようです。でもまぁ、いつまでも使ってるとモバイルバッテリーをモバブーと略す人のようになりそうですよね。

当サイトでは2番目に多かった(ほか2つよりも抜き出てた)メーカーモデル/メーカー版を使っていこうと思います。

…とはいえ、おそらく上で出てきたようなライターの方々が有名メディアで使っていくことでだんだん定着していくのではないかと思います。まだしばらくは「SIMフリー版」という言葉は使われていくと思いますが、今後どうなっていくのか、ちょっと注目していきたいですね。

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