「OnePlus 9 Pro」を購入しました。素のAndroidに近い「Oxygen OS」が搭載されており、シンプルで堅実なスマートフォンです。実際に1ヶ月ほどメイン機として使い倒したレビューをお届けします。今回購入したものはRAM 12GB / ストレージ256GBモデルで、アメリカ版(LE2125)です。
OnePlus 9 Proは、老舗カメラメーカーのハッセルブラッドとコラボしたことで話題になっていますが、名前から期待するほどではなかったかな、と思います。
目次(見たいところからチェック!)
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OnePlus 9 Proの魅力は?
細かいところは後述しますが、OnePlus 9 Proの魅力をザックリと説明すると「飾り気のない実用性重視で洗練されたハイエンドモデル」です。他社のハイエンド機では「遊び心」や「メーカー独自機能」などを売り文句にしていますが、OnePlusは正当で忠実な機能に重きを置いています。
OnePlusは実用性重視といったシンプルなUIをしているため、他のスマホに比べて「楽しさ」や「ロマン」は少ない方だと断言できます。しかし、実用性といった面では最強で最高のスマートフォンです。特徴としては手になじむ本体サイズ、搭載されているOxygenOSが洗練されつくしている…などが挙げられます。
なお、OnePlusは国内で販売されておらず、海外通販サイトのBanggoodやフリマアプリ、海外スマホを取り扱っているイオシスなどから購入することができます。
スペック表
OS | Oxygen OS – Android 11 |
---|---|
CPU | Snapdragon 888 |
RAM | 8GB / 12GB |
ストレージ | 128GB / 256GB |
ディスプレイ | 6.7インチ 3216×1440 (QHD+) AMOLED |
メインカメラ | 48MP広角+50MP超広角(FOV 123°)+8MP望遠+2MPモノクロ |
フロントカメラ | 16MP |
バッテリー | 4500mAh |
サイズ | 約163.2 × 73.6 × 8.7 mm |
重量 | 約197g |
対応バンド | 5G: n1, n2, n3, n5, n7, n8, n25, n28, n38, n40, n41, n48, n66, n71, n77, n78, 4G: FDD-LTE Band 1, 2, 3, 4, 5, 7, 8, 12, 13, 17, 18, 19, 20, 25, 26, 28, 30, 32, 66, 71 TDD-LTE Band 38, 39, 40, 41, 46, 48 3G: WCDMA Band 1,2,4,5,8, 9, 19 2G: GSM B2 , 3 ,5 ,8 |
鏡面仕上げの背面は高級感が溢れて美しく、ACアダプタがしっかりと付属
筆者が購入したカラーは「Morinig Mist(モーニングミスト)」です。背面が鏡面になっていて見惚れてしまいます。
最近は充電器をつけないメーカーも多いなか、OnePlusはしっかりとACアダプタが付属しています。さすがは充電速度に気を使っているメーカーですね。
また、筆者が購入したのはUS版なのでケースはついていませんでした。CN版やEU版にはついているそうです。その他付属品はステッカーや冊子類、SIMピンだったりと…。一般的な付属品で変わり映えはしませんね。
ディスプレイは上質だけど疲れやすいところも
OnePlus 9 Proはエッジディスプレイを採用しています。端が湾曲したエッジディスプレイはカーブがキツかったり、誤反応が起きやすいなどのデメリットがありますが、個人的には湾曲してる方がかっこよくて好きです。最近のものは誤反応も減っていますし。
エッジ面は比較的緩やかでキツさを感じさせません。1ヶ月ほど常用していてもエッジが気になることはなく、フラットに近いような感覚で使うことができます。
ディスプレイの質はかなり高く、圧倒的な解像度、発色を誇ります。ただし、発色が良すぎるのか、布団の中で使い続けると突き刺さるような痛みがジワジワと押し寄せてきます。最初は画面の明るさの問題かな?と設定を見つめていたのですが、どうやらOnePlus側の発色が良すぎる(コントラストが強い?)あまり、目が痛くなるようです。
私にとっては手が吸い付くような本体サイズ
完全に個人的な意見ではありますが、OnePlus 9 Proの本体サイズは私にとってちょうどいいどころか、手に吸い付いてくるかのような心地よさです。
73.6mmの横幅は握った時のおさまり具合が絶妙で、他のスマホを握った時になんか違うんだよな…となってしまいます。本体重量も197gとハイエンド端末の中ではそこまで重くないですし、文句の付け所がありません。理想のサイズ感ですよ、コレ。
爆速指紋認証
OnePlus 9 Proは画面内指紋センサーで、その認証速度は超爆速です。去年に購入したスマホらも爆速でしたが、「OnePlus 9 Pro」はそれよりも爆速で技術の進歩を感じます。すごいなこれ。
等倍のカメラ性能はめちゃくちゃいいけど高倍率は期待しちゃダメ
カメラ性能をチェックしていきます。OnePlus 9 Proは48MPのメインカメラ(IMX789)+50MPの超広角カメラ(IMX766)+8MPの3.3x望遠カメラ、そしてモノクロ用の2MPカメラも搭載された4眼カメラです。
また、老舗カメラメーカーのハッセルブラッドとコラボしている…というのですが、本当にコラボしてるのか?と思ってしまいます。
「自然な色合い」をうたい文句としているのにも関わらず、肉眼で見た色とは大きく異なるところがあるため、それを売りにするのはどうなんだ?といったところです。とはいえ、私はこのチューニングが結構好きですし、機能そのものに不満はありません。
以下、作例です。撮影はすべてオート。補正やHDRなども有効です。
メインカメラ
メインレンズで撮影してみました。全体的に色調補正が強く、その中でも緑が強調されている印象です。いくらなんでもこれで自然な色合いって無理があるのような…。でも、これより薄くしたら自然な色合いとはいっても、地味な色になっちゃうんですよね…。
超広角
超広角カメラは画質は落ちるものの広く撮影することができます。自然やビル群などを撮る場合は役立ちそうですね。
3.3倍望遠
望遠レンズは思っていたよりも悪くない印象です。他社製のフラグシップと比較すると物足りないところはありますが、それでも十分な写りですね。
夜景
夜景モードは華やかな写りというよりもパリッと、シャキッとしている印象です。好みがわかれそうなところですね。
今回撮影した写真はGoogleフォトにまとめてあります。じっくりと見たい方はこちらも併せてご確認ください。
カメラにフォーカスピーキング機能が搭載
OnePlus 9シリーズにはマニュアル撮影時にピントがあっている部分を強調して表示する「フォーカスピーキング機能」が搭載されています。
マニュアル撮影をする時に手動でピントを合わせるとどこにピントが合っているのか、わからなくなりがちですよね。そんなときに役立つのがこの機能で、ピントが合っている場所を強調してくれます。
上の画像に映ってるキーボードの印字面はもともと白い文字ですが、色がついてピントが合ってることを示しています。
写真をガッツリと撮らない人には無縁な機能かもしれませんが、マニュアル撮影をよくする方にとっては重宝する機能なのではないでしょうか。
AOSPを踏襲したOxygen OSを搭載
OnePlusの最大の魅力は「Oxygen OS」です。私は様々なメーカーのスマホに触れてきましたが、「Oxygen OS」は1番使い勝手がいいと感じました。
OnePlusは伝統的に赤のアクセントを採用していて、それはOS内部にも反映されています。カッコよくて好きなんですよね、コレ。
全体的なUIはAOSPをベース…というよりも踏襲しており、使いやすいように独自のアレンジが施されています。そのうちいくつかの機能を紹介します。
アプリを指定してダークテーマを強制有効
アプリを指定してダークテーマを強制的に有効化することもできます。他社製のスマホではアプリごとにダークテーマの無効/有効を切り替えることができず、不便に感じていたのですがOnePlusは痒い所に手が届いてかなり便利です。
アプリ複製可能
海外スマホではおなじみのアプリ複製にも対応しています。アプリを複製することでゲームのサブデータを作成したりSNSをプライベート用と仕事用で分けることができます。悪用厳禁。
…ただ、メーカー側が決めたアプリしか複製できないのは残念なところで、すべてのアプリが複製できればな〜…ってのが本音です。
アクセントカラーを自分の好きなものに!
アクセントカラーを自分の好きな色に変更することもできます。スマホ内部をいじって自分色に染めることができるのは愛着がわいてきちゃいますよね。ちなみに、アクセントカラーはプリセットだけでなく、カラーコードから選ぶこともできます。
様々な情報を集約した「Shelf」
ホーム画面を上から下にスワイプすると「Shelf」が表示されます。
Shelf上では現在の天気を確認したりメモを書くことができたり、歩数を確認したり最近使用したアプリなどの様々な情報を確認できます。サクッと天気を確認したり覚え書きを設置することで日々の生活がちょっとだけ豊かになっていいですよ。
Zenモード
Oxygen OSには禅を元に作られた「Zenモード」が搭載されています。PCパーツに精通している方はRyzenを連想してしまうかもしれませんがそうではなく、禅です。
Zenモードは禅を考えを元にしており、スマートフォンの利用時間を減らして自分の人生を謳歌しよう!といったコンセプトを持ちます。つまり、スマートフォンの利用を「自主的に制限する」機能です。
デジタル機器の利用期間が増え、ネット依存やゲーム依存などが深刻化している中、スマートフォンの利用時間を減らすことで「本来の自分が使う時間」を取り戻しましょう!といったOnePlus開発陣の優しさしみじみと感じることができます。
ちなみに、私はネット疲れしやすい性格でして、疲れている時にはかなりお世話になっています。ネット疲れしやすい方にはオススメです。
ゲームモードでゲームに集中
ゲームモードにはゲームを楽しんだり、より集中したりするための様々な機能が搭載されています。ゲーム中の通知を無効化することができたり、30秒間の巻きもどし録画、プレイ画面の録画機能、ミスタッチ回避機能、そしてゲームパフォーマンスの向上機能など…。ゲームをよく遊ぶ方にとっては便利な機能がたくさんあります。
各種ベンチマークテスト
各種ベンチマークテストを回してみました。使用したのは『Antutu benchmark』『3D Mark』『GeekBench』です。
結果は『Antutu Benchmark』が801,664点、『3D Mark』が5,689点、『GeekBench』のシングルが1,099点、マルチが3,433点です。
バッテリーと充電
120Hz常用だとバッテリーが心もとないか
バッテリーの持ちを測定する『PC Mark』も測定してみました。測定時の設定はQHD@120Hzで、ダークモードを有効化し、画面輝度をやや暗めにしています。
結果は9時間12分。この設定だとバッテリーがすぐに減って、1日が終わる頃にはバッテリーが無い!なんてことがよくあります。ここらへんは120Hz/QHDを無効化するなどして、うまいこと対策していくしかありません。
ちなみに、私はQHD@60Hzで常用しています。体感上では1.8倍くらいバッテリーが持つような印象です。ベンチマーク結果からみてとれる通り、120Hzを有効にするとバッテリー持ちが途端にわるくなってしまうので…。
独自急速充電のWARP CHARGE
付属のACアダプタはOnePlus独自充電規格の『WaroCharge』を採用しています。一般的な急速充電規格といえば「USB PD」や「Quick Charge」ですが、OnePlusは独自の規格を採用することで他社との差別化を図っています。
充電時間を細かく測定したわけではありませんが、30〜40分くらい充電しておくと満タンになってます。朝、充電するのを忘れていた時にサクッと充電できるのは便利です。
最後に…OnePlus 9 Proが向いているのはどんな人?そして総評
- AOSPベースのOSがすき
- シンプルなハイエンド端末がほしい
- ディスプレイの質を重視
- MIUIやEMUIのようなOSがすき
- バッテリー持ち重視
- カメラ性能を追求
OnePlus 9 Proはスマートフォンに実用性や利便性を求める方にはうってつけで、なおかつ純粋なAndroidであるAOSPが好きな方にオススメです。逆を言えば、Xiaomiや最近のXperiaのようにとがっている機能だったり、BlackBerryやGalaxy Foldシリーズのような変態要素を求めている方、HuaweiのEMUIみたいに独自性の強いOSが好きな方には物足りなく感じるかもしれません。
OnePlusはPixelに近いけど路線がちょっと違う。飾らないのに上質で上品なところがファンを魅了する。そんな位置にいるスマートフォンだと考えています。
カメラ性能に注力しているわけでもなければ、OSで強い差別化を図っているわけではない。ディスプレイの質や充電速度にこだわりぬいてはいるけれども、そこよりもOnePlusというスマホの完成度の高さに惚れ惚れとする。それがOnePlus!!!
長文読んでいただきありがとうございました。OnePlus 9 Pro、かなりいいですよ。