Unihertz Jelly 2 レビュー:待望のおサイフ搭載超小型スマホは「わかってる」人ならメインにもできそう

Unihertzの超小型スマートフォンの新作「Jelly 2」が届いて2週間と少し使っています。

Jelly 2は、このサイズと価格からは意外なほどしっかりと動き、おサイフケータイまで対応したスマートフォンです。小型スマホ好きな方々からは待望の1台であります。若干あれ?と思うところもあるので、その辺りも含めてレビューしていきます。

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Jelly 2の概要とスペック

Jelly 2は2017年にUnihertzが世界最小(当時)のLTE対応スマートフォンとして発売した「Jelly / Jelly Pro」の正統なる後継機です。手のひらに収まる小ささはそのままに、SoCにHelio P60、6GBのRAMと128GBのストレージ、OSはAndroid 10と、かなりのパワーアップを果たしています。

KixkstarterおよびCAMPFIREにてクラウドファンディングが行われ、2021年1月現在はグローバル版のみ一般販売されています。おサイフケータイにも対応した日本版は、日本のバッカーのほとんどに届いてから始まる予定です。

主なスペック

OS Android 10
CPU Helio P60
RAM 6GB
ストレージ 128GB
Micro SD 対応
ディスプレイ 3インチ
(480×854)
カメラ 背面:1600万画素
前面:800万画素
バッテリー 2000mAh
サイズ 約95 x 49.4 x 16.5 mm
重量 約110g
通信バンド GSM: Band 2/3/5/8
WCDMA:Band 1,2,4,5,6,8,19
TDSCDMA: Band 34/39
FDD/TDD LTE:
Band 1 / 2 / 3 / 4 / 5 / 7 / 8 / 12 / 13 / 17 / 18 / 19 / 20 / 25 / 26 / 28A / 28B / 66
Band 34 / 38 /39 / 40 / 41
CDMA2000: BC0 / BC1

デザイン

開封の様子など、外観についてはファーストインプレッションの記事もありますので、こちらもどうぞ。

Jelly 2のディスプレイは3インチです。大きさは約95 x 49.4 x 16.5 mmで超ミニサイズです。手の中に握り込めそうなこの大きさは本機の最大の特徴です。

Rakuten MiniやPalm Phoneのように薄い方が良いという方もいるでしょうが、厚みがあったほうが握りやすさやバッテリー容量的にも良い部分があります。なので私はこちらのほうが好みですね。

背面のカラーは反射の激しいダークブルーとでも言いましょうか、濃い青に緑が少し入ったような色をしています。かなりテカテカなので指紋は付きやすいです。

なお、写真で見ると手が大きいようにも見えますが、私の手は比較的小さい方です。

右側面には赤いプログラマブルキー。以前のAtomでも赤いワンポイントとして目立ってました。カッコ良いのはいいのですが、わりと電源ボタンと間違って押してしまうことがあります。

パフォーマンス

Jelly 2はSoCにHelio P60、6GBのRAMと128GBのストレージを搭載。小ささが最大の特徴ではありますが、意外とスペックもしっかりしています。

各種ベンチマーク結果

ベンチマークテストの結果は上図の通り。AnTuTuの結果は172,349点、Geekbench5の結果はシングルで299点、マルチで1,450点、3DmarkはWild Lifeで647点、Sling Shot Extreamで1,262点でした。

2020年に発売された比較的廉価なミドルレンジモデルと同じくらいですね。新し目のもので言うとOPPO A73がAnTuTuスコアで172,016点だったのでほぼ同じです。

似た点数やほかのスマホと比べると以下の通り。

Antutu Geekbench 3DMark
Single Multi
OPPO Reno3 A 180624 310 1359 1114
Unihertz Titan 173070 284 1270 1173
Unihertz Jelly 2 172349 299 1450 1262
OPPO A73 172016 313 1302 1143
AQUOS sense3 119347 178 1045 823
Rakuten Mini 94299 176 821 448

そのほか、当サイトでレビューしてきた端末のベンチマーク結果は以下のページに纏めています。こちらも参考にどうぞ。

意外なほどしっかり動くが操作感は慣れが必要

こうした超小型のスマホだと、その大きさのために他の要素が犠牲になるパターンが多く、パフォーマンスにも期待できないのがよくあります。国内で最近発売されたものだとRakuten MiniやPalm Phoneがありましたが、どちらもスペック的にはイマイチでした。

しかしJelly 2はHelio P60を搭載し、普通にミドルレンジのスマートフォンとして使えます。動作として引っかかることはほとんどありません。「あれ?普通に使えてしまってる?」と驚くくらいです。

ただし、これはあくまでマシン側のことです。実際に操作するときはスマホ内部の動きよりも、その端末本体のサイズから小さい画面で操作することが難しいということがあります。

まぁ慣れが必要ですね。文字入力のときなどは、一文字一文字しっかりと確認しながら入力するようになります。

反応が鈍いところがある

意外なほどしっかり動くと言った直後ですが、反応が鈍い箇所もあります。もともと貼られてる保護フィルムの影響もあるのかもしれませんが、戻るボタン(左側のタッチキー)がタッチしてもなかなか反応してくれないことがあります。

ジェスチャーナビゲーションを使えば、タッチキーを使うことがほとんど無くなるので無視できるのですが、Nova Launcherなどデフォルト意外のホームアプリを使うとジェスチャーナビゲーションが使えなくなるので悩みどころです。(私はNova Launcherを使いつつ、別のジェスチャー操作できるアプリをインストールして使ってます。)

カメラは期待してはいけない

Jelly 2のカメラは1600万画素のシングルカメラです。ですが、まぁこれは期待しないほうが良いです。あくまで記録・メモ用として割り切ったほうが良いでしょう。写真を撮るのが好きな人は別のスマホなりを一緒に運用したほうが良いと思います。

カメラアプリは最低限といったもので、3分割のグリッドも出せません。シャッター音は鳴らないようにできます。

いくつか撮った写真を載せます。(縮小加工のみ行っています)

ものすごく暗く濃くなってしまいましたが、もっと明るい朝でした。まぁ味はある…かな。

公園の展望台。さっきは黒かったのに、逆に若干白っぽくなってます。

食べ物はちょっと青白くなって美味しそうに見えません…。画像加工必須です。逆に言えば画像加工前提なら、まだいいかもしれません。

一応、カメラアプリを別のものにすれば改善される、という情報もTwitterで見た気がします。でもまぁ、このスマホにカメラの性能まで求めるのは、やはり贅沢なのかもしれません。

バッテリー持ちは悪くないが過信してはダメ

Jelly 2のバッテリーは2000mAhです。以前のJelly ProやRakuten Miniなどに比べると多く、わりと使えます。

ただ、だからといってバッテリーもちが良いというわけではありません。普通のスマホなら最近は3000~4000mAhくらいですからね。あくまでも「このサイズにしては」わりと持つほう、でしょう。

毎日充電して、出かけるときは一応モバイルバッテリーを持ち歩く、という人であればそう心配はありません。

おサイフケータイと決済アプリ

Jelly 2は日本版のみ、FeliCa(おサイフケータイ)に対応しています。モバイルSuicaや楽天Edyなどが普通に使えます。おサイフケータイを使ってる人にとって、メインとして使えるかどうかで重要なポイントなので、かなり熱望していた人もいるでしょう。

おサイフケータイとは関係ありませんが、QRコード系も使えます。とは言え、画面が小さいので読み取ってもらうときにミスしやすかったりもするので、アプリによってはコード部分を拡大できたりするので、そういった機能を使ったほうが安心かもしれません。

便利な顔認証、イマイチな指紋認証

Jelly 2の生体認証は「顔認証」と「指紋認証」の2つがあります。

顔認証については、「持ち上げると画面オン」の機能と組み合わせて使えるので便利です。また、マスクをしたままでもロック解除できるので、このご時世では便利かもしれません。セキュリティ的には良くない気もしますけど。

認証スピードなどについては以下の記事も参考にしてください。

あと1点気になることがあります。カメラを起動した状態で画面を消し、そこから顔認証しようとすると「カメラが使用中です。別の認証方法を試してください」という表示が出て顔認証が使えないことです。ほかのスマホで見ない表示だったので少し気になりました。

一方、指紋認証についてはちょっと使いにくさを感じます。センサーが付いてるのは背面中央と、普通のスマホでもよくある位置です。ただJelly 2は端末のサイズが小さいので、この位置にあっても普通に持ったときに指がそこに来ません。

指紋認証するためには端末の下の方を持つか、人差し指をぐぐっと曲げてタッチします。面倒なので顔認証ばかり使ってます。

精度という面でも(私はそこまで悪いと思いませんでしたが)あまり良くなく何度もタッチしないと反応しないという報告もあります。

ホーム画面と設定、独自機能

Jelly 2のUIは基本的にノーマルなAndroidです。それにいくつか独自要素が加えられています。

ホーム画面とプリインアプリ

デフォルトのホームアプリはドロワーがなく、全てのアプリがホーム画面に表示されるタイプです。壁紙は富士山と桜のようなものが描かれています。これ以外にもいくつか日本っぽい壁紙が入ってるのが面白いです。プリインストールアプリは、使うかわからないツール系はありますが、変なゲームなどはありません。

ホームアプリは別のものに変えることもできますが、そうするとジェスチャーナビゲーションが使えなくなってしまうので悩ましいところです。

ツールボックス

Unihertzのスマホではおなじみですが、『ツールボックス』という水準器や分度器、騒音測定などの機能が詰まったアプリがあります。頻繁に使うものではないと思いますが、ちょっとした時に便利なツール類です。

リモコンアプリ

Jelly 2には赤外線リモコンになる機能(アプリ)が用意されています。スマホが家電のリモコンになります。

これを設定しておけば、寒い冬の夜にAlexaやGoogleアシスタントが使えなくなって元のリモコンも見つからない、なんて状態でもエアコンのスイッチを入れられます。

プログラマブルキー

端末右側面にある赤いプログラマブルキーは自分で動作を設定できます。1回押し、2回押し、長押しそれぞれに動作を設定でき、アプリの起動もできます。

ただ、この赤いキーはわりと電源ボタンと間違えて押してしまうことがあります。赤く目立っているのですが、形は電源キーと同じですし、すぐ隣にありますし。なので単押しは間違えてもいいようなものを設定したほうがいいかもしれません。

Jelly 2の良いところ、イマイチなところ

ここまで2週間と少し使ってますが、なかなか気に入ってます。もちろんだめな部分もあるのですが、多少の工夫でなんとかなるものもあり、そういった手間も面白いものです。

Jelly 2の良いところとイマイチなところをまとめてみました。

Jelly 2の良いところ
  • 小さく軽い、ポケットに入れても邪魔にならない
  • 丸みのあるボディは小さいながらも持ちやすい
  • おサイフケータイ対応
  • 意外なほど普通に動く
Jelly 2のイマイチなところ
  • 戻るボタンの反応が悪い
  • Wi-Fiの5GHz帯で問題があるらしい
  • 一部アプリでは画面の小ささで表示が切れることも
  • カメラは記録メモ程度と考えたほうが良い

「超小型端末」というのが単にネタやインパクトのためにあるのではなく、ちゃんと使えるスマホとなっているのが良いですね。ただ一部反応が悪い部分だったりWi-Fiでの問題があるようなので、このあたりが今後のアップデートで修正されていくことを期待したいです。

まとめ:超小型端末として完成されつつある

多少の問題は残っていますが、まともに使える超小型スマホとして、かなり理想に近づいたものだと思います。Jelly、Atomから続く小型端末を開発してきたUnihertzだからこそ、ですね。

ただ、こういった端末にすべてを求めるのは良くないです。カメラの性能だったり、増えたと言ってもまだ少なめのバッテリーだったり、足りないものはけっこうあります。すべてを求めるような人にはちょっと向いてないスマホだと思います。

足りないものをしっかり認識して、それでもそういったところさえも楽しめる、そんな人に使ってみてほしいスマホです。

まだ一般販売はされていませんが、2月か3月には始まるのではないでしょうか。公式サイトでは$219.99となっています。気になる方はUnihertzのウェブサイトやTwitterをチェックしてください。

参考情報

本記事に記載された内容は記事公開時点のものであり、必ずしも最新の情報とは限りません。記事をご覧いただく際には、最新の情報を確認するようお願いいたします。

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OREFOLDER編集長。
1979年静岡県清水市生まれ、現静岡市清水区在住。

様々な巡り合わせから、このサイト1本で生活してる氷河期世代の一人。ガジェットに限らず広く浅く様々なものに興味があります。

スマートフォンは2010年にXperia SO-01Bを買ったのが最初。同時にb-mobile U300で格安SIMも始めました。これまでに数百台のスマホを手にし、格安SIMも常時20種類以上契約しています。

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