Unihertzが2月にクラウドファンディングしていた「Atom L」が届いてからもうすぐで2ヶ月が経とうとしています。届いてすぐに開封とファーストインプレッションの記事を書いたものの、いまいち積極的には使えてません。とはいえ2ヶ月弱、ちょこちょこ触ってきて感じたこともあるので、実際に使ってみてどうだったのか正直に書いていきます。
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スペックはそれなりに、意外と悪くない
Unihertz Atom L/XLは2020年2月にクラウドファンディングサイトで出資を募っていた4.6インチディスプレイの比較的小型なタフネススマートフォンです。2018年の超小型タフネススマホAtomの後継機となる端末で、ディスプレイがサイズアップしています。
Atom Lの主なスペック (タップで開きます)
OS | Android 10 |
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CPU | Helio P60 |
RAM | 6GB |
ストレージ | 128GB |
外部メモリ | Micro SD card |
ディスプレイ | 4インチ 1136 × 640 |
カメラ | 背面:4800万画素 前面:800万画素 |
バッテリー | 4300mAh |
サイズ | 約134.5 × 65 × 17.5 mm |
重量 | 約232g |
対応周波数 | GSM: Band 2/3/5/8 WCDMA: Band1/2/4/5/6/8/19 TDSCDMA: B34/39 FDD/TDD LTE: Band 1/2/3/4/5/7/8/12/13/17/18/19/20/25/26/28A/28B/34/38/39/40/41/66 C2K: BC0,BC1 |
ワイヤレス充電 | 非対応 |
おサイフケータイ / NFC | 対応/対応 |
防水 / 防塵 | IP68 |
生体認証(指紋 / 顔) | 対応/対応 |
公式の製品ページはこちら
スペック表を見てもわかるとおり、Atom Lは意外と使える性能があります。AnTuTuはなぜかGPUの値がとれなくてうまくいきませんでしたが、Geek Bench 5はシングルが297点、マルチが1,438点です。UMIDIGI Xやmoto g8と似たようなもので、ベンチマークで見ればAQUOS sense3などよりも上です。
実際使ってみても、動作はキビキビしていて普通に使えます。RAM6GBもありますしね。最近のミドルレンジはどれもこれで十分と思えるほどに良くなってますが、Atom Lもまた普通に使えてしまいます。
ただ、元から貼ってあるフィルムが悪いのか、タッチの反応はイマイチなところも。特に画面外に配置された戻るボタンとマルチタスクボタンは当たり判定が小さいのか、なかなか反応してくれない時があります。新しいフィルムを買って試してみればいいのですが、イマイチ使ってないものにお金を出すのもなぁ、でも保護シート無しというのもなぁ…という気持ちで最初のものをそのまま付けてます。
厚く、重い…でも手にすっぽりはまる
Atom Lはディスプレイサイズ4インチの比較的小型な端末で、横幅も65mmしかありません。ただし厚みは17.5mmもあります。最近の大体のスマホは(大きく出たカメラ部分を除けば)8-9mmあたりですから、だいたいスマホ2個分の厚さです。
いや、これがですね…本当にインパクトあるというか存在感あります。
ここまで厚く、それでいて横幅は適度に抑えられたというのは滅多にありません。そういえば、横幅65mmというのはXperiaなどのcompact機と同じ幅です。
厚さは2倍なので、Xperia X Compactを2台重ねて持った感じ、と近いかもしれませんね。
ただ実際に手に持ってみると、妙にすっぽりと収まりがいいのに気づきます。なんだろう?なにか以前にこんな感じのものを持ったことがあるようなないような…。小型のトランシーバーとか、こんな感じだったかもしれません。
ついでに言えば、厚さがあるので机の上に置いた端末を持ち上げるのがすごい楽です。
最近では貴重な16:9ディスプレイ
Atom Lのディスプレイ解像度は1136×640です。いくら4インチとはいえ、HDにも届きません。まぁその分バッテリーの持ちは良くなりそうですし、この端末にそこまでキレイな画面の映りを期待してる人もいないでしょうしね。
個人的に刺さったのは「ノッチも四隅の丸みもなく16:9のアスペクト比でAndroid 10搭載でそれなりに使えるスペック」ということです。こういうサイトではスクリーンショット画像を載せることが多いのですが、最近の縦長なスマホのスクリーンショットだとどうにも縦長すぎるんですよね。やはり16:9あたりがバランス良いのです。さらに中身も素のAndroidに近いので、いろいろ便利なんです。
それなりに使えるようになったカメラ
前世代のAtomのカメラはほとんど記録用といったもので、あまり写真を撮ろうという気にならないものでした。(まぁあの小さな画面でカメラ操作は厳しいですし。)今回のAtom Lのカメラはわりと良くなってる印象です。最近のカメラ自慢なスマホに比べると全然ですが(機能的にもグリッド線すら出せないですし)悪くはない写真が撮れます。
同じ場所同じ時間にほかのスマホのカメラで撮ったものと比べると、色が濃いように感じます。
暗いのではなく、コントラストがくっきりしているというかなんというか。
なんとなく元気な夏のイメージに合う気がしました。
食べ物はちょっと注意が必要です。
油断するとすぐこのような青っぽい写真になってしまいます。これだとおいしそうに見えませんよね…。
Atom Lの通常のカメラアプリは設定項目も少なく、分割グリッドすら出せません。(でもシャッター音は消せる。)このカメラで積極的に写真を撮ろうとは思いませんが、全くダメというわけではないくらいの写りにはなります。まぁ色の濃さなどあるので、あらかじめ癖をわかっておく必要はありそうです。そういう意味では個性的なカメラといえるかもしれません。
どこか中途半端で使いどころが難しい
超小型タフネススマホのAtomがサイズアップしてしまって小型タフネススマホになってしまったのは、使いやすさは向上しましたがアイデンティティというか、「これ」というものを失ってしまった感があります。どうにも中途半端なんですよね。
スペックや動きはめっちゃいいわけではないし、使えないと言うほどでもない。持ちやすくはあるけど部屋の中だと厚さが気になるし持ち歩くには232gというのは重い。アウトドアで使うにはいいのかもしれないですが、私は最近は山にもほとんど行ってないんですよね。ちゃんと行ってる人なら、あるいは…。
開封時にも書きましたが、「これ買ったけどどうしよう…?」と考えてしまうスマホです。
まとめ
Atom Lの良かったところ、イマイチだったところをまとめてみます。
- 手にすっぽり収まるサイズ感
- 必要十分なスペック
- 今では貴重なノッチも四隅の丸みもない16:9ディスプレイ
- バッテリーの持ちが良い(厚さを犠牲にしてバッテリー積んでますよね)
- 土の上に落としても気にしないデザインとタフネスさ
- 持つとき以外は邪魔になる圧倒的な厚さ
- 戻るのタッチキーが反応悪い
- いまいち使いどころが見つからない
うん、そう、悪くはないんですよ。厚さ以外は。前世代の超小型端末だったAtomならこの厚さも良かったのですが、4インチクラスになってこの厚さと重さはなかなかのウィークポイントです。これが気にならなければアリだと思うんですけど、量販店などで実機を手に取って確かめられないというのが難しいところですね。
決して万能ではないので、ハイキングだとか軽い登山に行くときにスポット的に使うスマホとしてはいいかもしれませんね。今は公式サイトでの販売のみですが、これまでのUnihertz端末と同じなら、今後Amazon等でも販売されると思います。
参考情報
- Atom L – Unihertz