楽天モバイルのeSIM専用小型スマートフォン「Rakuten Mini」を手に入れてから1ヶ月半ほど経ちました。小さくて軽くて使ってて楽しい端末ですね。
簡単ですが、ここまで使ってきての評価、レビューをお届けします。良いところもあるのですが、やっぱり普通の人には簡単にオススメできないと感じます。
目次(見たいところからチェック!)
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Rakuten Miniの概要と主要スペック
Rakuten MiniはMNOとしての楽天モバイルの独自端末です。ディスプレイサイズ3.6インチで名刺やクレジットカードよりもわずかに大きいくらいという大きさ、約79gという軽さ、そしてeSIMに対応するという特徴があります。
スペックとしてはSoCにSnapdragon 439でRAMは3GB、ストレージは32GBと、メインで使うには割り切った使い方でないと厳しいくらいです。もう少し詳しいスペックは以下の通り。
Rakuten Miniの主要スペック(タップで開きます)
OS | Android 9 |
---|---|
CPU | Qualcomm Snapdragon 439 |
RAM | 3GB |
ストレージ | 32GB |
外部メモリ | なし |
ディスプレイ | 3.6インチ 1280×720 (HD) |
カメラ | 背面:1600万画素 前面:500万画素 |
バッテリー | 1250mAh |
サイズ | 約106.2 x 約53.4 x 約8.6 mm |
重量 | 約79g |
対応周波数 | ■LTE(FD) Band 1 (2.1GHz) / Band 3 (1.8GHz) / Band 18 (800MHz) / Band 19 (800MHz) / Band 26 (800MHz) / Band 28 (700MHz APT) / ■TD-LTE Band 41 (2.5GHz) / ■WCDMA Band I (2.1GHz) / Band VI (800MHz) / Band X IX (800MHz) / ■GSM 非対応 |
ワイヤレス充電 | 非対応 |
おサイフケータイ / NFC | 対応/対応 |
防滴 / 防塵 | 対応 (IPX2 / IP5X) |
生体認証(指紋 / 顔) | 非対応/対応 |
軽く小さくベーシックなデザイン
Rakuten Miniはその小ささが特徴ですが、端末のデザインとしてはとても見慣れたベーシックな形をしています。具体的に挙げられるわけではありませんが「スマホのよくある形」として頭に浮かぶものと近いと思います。
側面は金属風。高級感とまでは行きませんが、チープさをなくすことに貢献しています。
右下にはストラップホールがあります。手首につけるストラップというよりは、首から下げるためのネックストラップを付けて持ち運ぶのが似合いそうです。
上部にはスピーカーの左右にフロントカメラとセンサーがあります。この並び、スピーカーは中央にあるのですが、その左右の間隔もちゃんと等間隔になっていればよかったのになぁ…と少し残念です。
このほか、開封時の様子や内容物については下記記事をご覧ください。
小ささゆえの操作感
小さいということで操作がしにくいのでは?と思いますが、まぁなんとかなります。若干普通のスマホよりも顔に近づけて持ってるかな?という気もしますが。QWERTYキーボードで入力するときは気を使いますが、他の場面ではほぼ問題ありません。
もちろん小さいのは小さいですし、スマホの持ち方も多少変わってくると思います。でも人間すぐに慣れるものですよ。
まぁ昔はこれくらいの大きさのスマホもたくさんありましたからね。
パフォーマンスは期待しなければ十分
いつもどおり『AnTuTu Benchmark』『Geekbench 5』『3DMark』の3つのベンチマークアプリを使ってみました。
AnTuTuの結果は94,299点、Geekbench5の結果はシングルで176点、マルチで821点、3DmarkはSling Shot Extreamで448点でした。
似た点数のほかのスマホと比べると以下の通り。
Antutu | Geekbench | 3DMark | ||
---|---|---|---|---|
Single | Multi | |||
Atom | 103844 | 155 | 875 | 444 |
Blackview BV9100 | 98206 | 173 | 891 | 471 |
Rakuten Mini | 94299 | 176 | 821 | 448 |
Mode1 RR | 87597 | 150 | 710 | 452 |
LG Q Stylus | 80874 | 392 |
このほかのスマホのベンチマークも集めて以下のページにまとめてあります。他の機種と比較できるので、こちらも参考にしてください。
⇒ベンチマーク結果まとめ
実際に使っていると、まぁスペック不足は確かに感じますね。微妙に引っかかりというか鈍いというのは常に感じます。メインで使うのははっきり言って厳しいです。まぁストレージも32GBしかないですし、メインにしようと考える人もそういないと思いますが…。電話とメッセージ、おサイフに限る…というのなら…まぁ…うん…。
バッテリーはもたない
小さいから仕方ないのですが、やはりバッテリーはもちません。何もしてなくてもどんどん残量が減っていき2日くらいでなくなります。普通に使えば1日もたないので、充電できる環境か、移動する際はモバイルバッテリーが必携になります。
ちなみに、他サイトのRakuten Miniのレビューで「バッテリーはもたないが、充電は早い」というような記述をするところがあります。これは単にバッテリー容量が小さいからです。バッテリー容量1250mAhですしね。普通のスマホの半分以下、下手したら3分の1です。バッテリー容量3750mAhのスマホで33%までしか充電できないと考えるくらいがちょうどいいかもしれません。(あくまで大雑把な考え方)
カメラはイマイチ
Rakuten Miniのカメラについては、写りとしてはそう悪くないのですが、画面が小さいというのはやはり難点です。
いくつか実際に撮ったものを載せます。(クリックで拡大します)
手前の花にピントを合わせようとタップしたのですが、あったかのように見えてシャッターが切れるときには奥の方に合ってました。というか画面が小さいので本当にピントが合ってるのかも判別しにくいのです。
かなりたくさん撮ってみて、唯一手前側にピントが合ったのがこれです。
まぁ、明るいところで記録用に写真を撮るなら問題ありません。でもきれいな写真が撮れるスマホがほしいなど、選択基準にカメラ性能を入れるのであれば、ちょっと向かないと思います。操作性も含めて。
その他の機能
独自のホーム画面
小さい画面で操作しやすいように、独自のホーム画面になっています。これは縦スクロールで、1ページに7個のアプリまたはフォルダが表示されます。左画面はGoogle Discover…ではなく楽天Infoseekのニュースリスト、右画面にはウィジェットを立てに並べていくことができます。
もちろんほかのホームアプリを導入することができるので、私はすぐにNova Launcherに変更しました。ただ、壁紙はまったく変更できないという注意点があります。システム設定でテーマを「ライト」か「ダーク」で選び、それによってステータスバーやナビゲーションバーとともに白と黒で切り替わるのみです。私はウィジェットをホーム画面いっぱいに広げるという方法で擬似的に壁紙を表示させています。
顔認証
Rakuten Miniは指紋センサーはありませんが、顔認証に対応しています。速度は…速くはないですがまぁ許容範囲です。ただ自分で指スワイプしてロック解除したほうが早いかな、と思うくらいですね。
防塵防水
Rakuten Miniの防塵防水性能はIP52です。防水というかスペックでも「防滴」と書かれているように、あまり期待しないほうが良いレベルです。それなのにちゃんと検査してスペックに書いてあるというのは評価すべきかもしれませんが…。
eSIM
Rakuten Miniは物理的なSIMカードは使えず、端末に書き込むeSIMのみの対応です。ただこれを使えるのは現状ではIIJmioと楽天モバイルくらいしかありません。まぁ楽天モバイル独自端末ですので楽天モバイルが対応していればそれでいいとも言えるのですが。
このeSIMも、私は現状IIJmioのみを入れて問題なく動作しているのですが、Rakuten MiniとほかのeSIMを入れている場合にリストから消えてしまう現象もあるようです。(いまいちどういう条件でそうなるのかは不明)
eSIMを試すための端末としては面白いのですが、そういった心配は少し残ります。
現状での問題点
ここまでもいくつか難点となる項目はありましたが、現状での問題点をいくつか挙げてみます。
- 壁紙が替えられない…一応アップデートで対応との噂もあるようですが、おそらくこちらのツイートが元です。これ、単にサポートが「アップデートで設定できるようになると思います」と言ってるだけなんですよね。ツイート主も「今後対応予定はあるんですね」と勝手に納得していますが、対応予定があるなんて言ってないですし、サポート担当の想像でしかないんですよ…。
- アップデートが来てない…壁紙の件もそうですが、セキュリティパッチのアップデートも来てません。Android 9でセキュリティパッチレベルは2019年12月です。私は中古で購入したのでもしかしたら発売直後にアップデートあったかもしれませんが、2020年4月4日時点では何のアップデートもありませんでした。楽天モバイルMNOの真の始まり(RAKUTEN UN-LIMIT開始)となる4月8日以降になんらかの動きがあると良いのですが…。
- バッテリーがもたない…先にも書きましたが、バッテリーはもちません。モバイルバッテリーを持ち歩かなければならないのでは小型軽量という利点をけっこう潰してしまいます。
- eSIMの不安…現時点でeSIMの選択肢も少ないですし、海外での利用を考えても、そう必要な人がいるのかどうか…。海外で利用としたら実は米国だと対応バンドの問題で繋がらないなんていう例もあるようです。
総合的な評価
Rakuten Miniの良いところ・イマイチなところをまとめてみます。
- 小さくて軽い
- おもちゃっぽくて楽しい
- eSIMを試せる
- おサイフケータイ対応
- 約2万円と安い
- バッテリーがもたない
- 壁紙が変更できない
- 小さいので一部アプリ等で操作が困難
- バッテリーがもたない
- スペックは期待しちゃダメ
総合的に見て、メインとして使うのはかなり厳しいです。スマホで通話とメッセージ、おサイフしか使わないのであればなんとか…という程度でしょうか。基本的には普通のミドルレンジモデルを買ったほうが幸せだと思います。
おサイフもあるからサブとして…と考える人もいるかもしれませんが、メインで使ってもいないのにバッテリーがどんどん減っていくので、それが苦でなければ…だと思います。まぁバッテリーが0%になって電源落ちてもしばらくはおサイフケータイとして利用できたとは思いますが…。
ただ端末の価格としては約2万円と安いので、ある程度スマホが好きな人がおもちゃ的に使うのであれば面白いと思います。思わずポイッと放り投げてみたくなるほど小さくて軽いですし、楽しいです。
まとめ
というようなことから、私としてはRakuten Miniは一般の人には勧めません。ちゃんとメインのスマホがほかにあって、おもちゃ的に小さくて軽いスマホを楽しみたいという人なら楽しめるでしょう。
コレクション的に欲しい人、小型端末好きな人なた持っていてもいい…というか持っておくべき端末だと思いますよ。中古含め、端末単体でも安価で購入できますしね。