以前2万円以下と安価ながら、高いノイズキャンセリング性能と充電台を兼ね備えたBluetoothヘッドホン「Mu6」をレビューしましたが、その第2世代モデル「Mu6 Space 2」をGenHighより提供して頂きました。
前モデル以上、ソニーやBOSEのヘッドホンよりも高いノイズキャンセリング性能を謳い、ジェスチャーコントロールや有線接続も可能など、さらなる進化を遂げた「Mu6 Space2」をレビューしていきます。
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前モデルからの強化ポイントと特徴
- アクティブノイズキャンセリング機能搭載(最大32→42dB)
- 外音取り込み機能搭載
- 3D Touchによるジェスチャーコントロールに対応
- aptx対応
- 充電台なし
前モデルの「Mu6 Space 1」からの強化点としては、ノイズキャンセル機能の強化と、ジェスチャー操作による再生停止・音量調節機能の追加、あと音質面では低音域などの強化も図られています。
前モデルで特徴的だった充電台については廃止され、ヘッドホン本体からも充電端子がなくなっているため、旧モデルのものを流用することはできません。
他社製品との比較を行っている表がこちら。平均と最大のノイズキャンセリングのレベルが、Bose NC700やWH-1000XM3など名だたる製品よりも上回っている点は注目ポイント。
開封と外観チェック
開封してみる
パッケージは前回のSpace 1に比べると、充電台がない分コンパクトになっています。
開封するとポーチに収められたヘッドホンとご対面。
付属品としては、ヘッドホン本体、ポーチ、USB Type-C to USB-Aケーブル、イヤホンジャック用のケーブル、説明書類になっています。
ポーチ内には、ケーブルを収納するための仕切りがついていますが、こちらに関してはマジックテープ式なので取り外しが可能。
前のモデルのポーチは単なる巾着袋で、ヘッドホンを入れてカバンに突っ込むには不安でしたが、今回はしっかりと強度のあるケースに変わっており、少し雑にカバンに突っ込んでもヘッドホンが大丈夫そうなのは良いところ。
外観と装着感
前モデルの艶消し・艶ありの複合的なデザインから艶消し一色とよりシンプルさが増し、オシャレになっています。
装着した時に左耳のハウジングの部分に、写真右から向かってノイズキャンセリングボタン、電源ボタン、USB Type-C、イヤホンジャックとボタンと端子が並んでいます。ノイズキャンセリングボタンは押すたびに、外音取り込みON→すべてOFF→ノイズキャンセリングONと切り替わる仕様。
写真ではわかりにくいかもしれませんが、ハウジング内部には”L”と”R”が書かれており、装着するときに迷うことがありません。あと左耳のハウジングにはセンサーが入っており、着脱に応じて音楽再生をON/OFFします。
ケース内に収納するときなどは、上記の様に落ちたたみます。左右どちらもこの様な状態にすることが可能。ヘッドバンドについては前モデルから引き続きしっかりとした厚みがあってホールド感がありますね。
装着してみた写真がこちら。ヘッドホン自体の側圧は強くないので、長時間付けていられます。ファッショナブルなデザインではありませんが、シンプルに纏まっているので、ちょっとしたお出かけから遠出まで、気楽に使えるデザインですね。
音質・ノイズキャンセリング・外音取り込みモード
音質
音質に関しては、確実に向上している様に感じます。前モデルでは全体的に音がこもっている様で価格相応でしたが、低音域が強化されて迫力が増し、それに合わせて高音域も際立つ様になっている印象です。解像感もアップしており、楽器一つ一つが聞き取りやすくなっていました。ただ女性ボーカルの高い声の伸びや抜けなどはもう一声欲しいところではあったりします。
筆者の感覚としては前作が他社のハイエンドヘッドホン比で65-75%くらいの音質だったのが75-85%くらいの音質と、一段階良くなっている様に感じました。
ノイズキャンセリング機能の実力は?
電車の中では?:外音取り込み・すべてOFF・ノイズキャンセリングONの3状態を順番に切り替えてみましたが確実に違いはあります。大きめの雑音を中心に打ち消す方向に設定されている様で、逆にアナウンスなどの声は少しですが聞こえて来ます。もちろんですが、音楽再生をするとノイズはより聞こえにくくなりますし、音楽などリスニングしやすい環境を作ることができます。英語のリスニング音源なども聞き取りやすいですね。
飛行機では?:エンジン音や風切り音など電車以上に大きい飛行機の中でもテストしてみました。電車の中同様にアナウンスの音は聞こえるものの、ノイズキャンセリングをONにするとかなりノイズがカットされ、静かな状態では気になったホワイトノイズも周りの騒音の影響か全く気になることはありませんでした。ただ、アナウンスの声は拾うのは電車のときと同じですね。
音楽を再生するとほとんど周りの音は聞こえなくなりますが、後述のホワイトノイズも飛行機のノイズで打ち消されるため、音楽を再生しない耳栓用途でも快適に利用できました。
静かな場所は?:音楽再生という観点では、他社のハイエンドヘッドホンに近いレベルでのノイズキャンセリングを実現してくれますが、静かな場所は少し苦手な印象。図書館とか自宅で、耳栓代わりに使うとホワイトノイズが少しだけ目立ってしまうので、そういった用途には向いていないかもしれません。騒音のある場所や音楽再生では、このノイズも打ち消されるため全く気にならないのですが、このあたりは気になる人は気になるというレベル。無頓着な人は大丈夫だと思います。
外音取り込み機能
外音取り込み機能に関してもかなり向上しており、外の音との違和感はほとんどなかったのがすごい所ですね。電車でも飛行機でも、町中でも外音取り込み機能ONでは周りの音をしっかり拾ってくれるので、アナウンスを聴いたりするときにも問題なく利用することができます。
アプリはよりシンプルに
アプリは前のモデルと共通のアプリですが、設定できる項目には変化があり、ノイズキャンセリングの強弱と自動的にシャットダウンするか、あとは着脱時の再生停止をするかといった項目のみ。聴覚テストなどの項目は省かれています。
ジェスチャーコントロールはコツが必要
再生・停止のジェスチャーに関しては真ん中あたりを軽くタップするだけと非常に簡単なのですが、音量調節や曲送り曲戻しについては少しコツが必要です。写真の様に、ハウジングの端から端へスライドさせる必要があります。少しわかりにくいですが誤作動防止などを考えると、こちらの方が合理的ですね。
ノイズキャンセリングヘッドホンはこれでOK
前作より音質・ノイズキャンセリングともに一段階クオリティを挙げてきており、更に良いヘッドホンに仕上がってきている印象。以前は、音質が価格なりという欠点がありましたが、それを改善しノイズキャンセリングの効きも良くなるなど、製品としてのクオリティはしっかりとアップして来ています。
Makuakeでのクラウドファンディングも現時点で16,368円ということを考慮すると(一般販売価格は24,800円ですが)かなり破格な印象で、価格などトータルで考えると、他社のワイヤレスのハイエンドヘッドホンよりもMu6 Space 2を選ぶ価値はあるんじゃないか思えるレベルには良い製品に仕上がっているとは思いますね。