タブレットなどで有名な中国のCHUWIが現在クラウドファンディング中のUMPC「CHUWI MiniBook」をレビュー用にお借りしました。
ここ数年、GPD PocketやOneMixといったUMPC(Ultra-Mobile PC)が注目を集めています。そんな中、CHUWIが新たに参戦するに当たって開発されたのがCHUWI MiniBookです。8インチという小型サイズのディスプレイに8GBのRAMと128GBのストレージ、重量は約660g、これで約4万5,000円という価格も魅力です。
クラウドファンディングはIndiegogoで行われ、目標額は早々に達成し、締切は8月19日までとなっています。
…はい、この記事の公開時点で残り24時間を切っています。そんなギリギリの時期ですが、せっかくお借りできたのでここまで数日使ってみたレビューをお届けします。
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MiniBookの外観
CHUWI MiniBookは8インチのディスプレイを持ち、大きさは201mm×128mm×19mmです。本体がコンパクトなのに比べ、キーピッチ19mmを確保したキーボードが大きく見えますね。
天面には何も書かれていません。他サイトの先行レビューを見るとCHUWIロゴが描かれたものもあるのですが、当方も含め製品版ではないので、今後変わる可能性もあります。
右側面にはTFカード(MicroSDカード)、USB-A、3.5mmイヤホンジャックがあります。スリットはスピーカー。
左側面には充電兼用のUSB Type-C、Mini HDMI、USB-Aです。こちら側にもスピーカーがあります。左右どちらにもUSBポートがついてるというのがいいですよね。
前面と背面は特に何もありません。
底面には各種認証マークなど。技適マークも見えます。
主要なスペック
CHUWI MiniBookにはCPUがIntel Core M3-8100Yのモデル(56,137円)とIntel Celeron N4100のモデル(45,493円)があります。今回お借りしたのはN4100のモデルで、8月18日現在クラウドファンディングの方でもM3-8100Yのモデルは売り切れとなっています。
主なスペックは以下の通り。
CPU | Intel Core M3-8100Y | Intel Celeron N4100 |
---|---|---|
グラフィック | Intel UHD Graphics 615 | Intel UHD Graphics 600 |
最大動的周波数 | 900MHz | 700MHz |
メモリ | 8GB LPDDR3 | 8GB LPDDR4 |
重量 | 662.2g | |
サイズ | 201×128.8×19.3mm | |
外面素材 | アルミニウム合金 | |
ストレージ | 128GB eMMC 5.1 | |
画面サイズ | 8インチ (1920×1200) 16:10 | |
タッチ | 10ポイントマルチタッチ | |
PPI | 283PPI | |
ルーメン | 250cd/m2 | |
バッテリー | 26.6Wh / 7.6V / 3500mA | |
Wi-Fi | 2.4G/5G WiFi 802.11ac/b/g/n | |
Bluetooth | Bluetooth 4.0 | |
OS | Windows 10 Home 64bit | |
カメラ | 2MP |
ディスプレイ
CHUWI MiniBookのディスプレイは8インチで、解像度は1920×1200です。さすがに小さいですね。また、ベゼルがそれなりに太いので「あれ?ウィンドウ最大化してなかったかな?」と思ってしまうことがしばしばありました。ちなみにその太いベゼル、左上部分にはフロントカメラが搭載されてます。
解像度は1920×1200で、表示スケールはデフォルトで200%になってます。ちょっと大きく感じたので私は175%で使用してます。(当サイトは完全レスポンシブではないので、このサイズだと若干はみ出てしまいます…。なんとかしないと。)
ディスプレイ部分は360°回転できます。途中で止めて三角形で立てるテントモードは対面の人にディスプレイを見せるときや動画視聴のときに便利…らしいです。
完全に背面にしてしまえばタブレットモードです。画面レイアウトも、回転を感知すると「タブレットモードにしますか?」と聞いてくるのですばやく切り替えができます。
背面に回ったキーボードが邪魔に思えますが、サイズ的にはこのモードがしっくりきますね。
キーボード
キー配列はUMPCにありがちな、かなり特殊なタイプです。今回借りたものは基本的に英字配列ですが、日本語配列のキーボードもあるとか。
そしてキーピッチが19mmと通常のキーボードと同じサイズというのが強い。こういった小さな端末では肩を狭めてチマチマと入力するイメージがありますが、キーの幅が広いのでそういったものを感じません。
…とはいえ、特殊なキーボードに違いはないので、慣れないうちはなかなか苦労します。個人的にはどうも「A」を打とうとして「S」になってしまったり、「Back Space」のつもりが「Del」だったり、括弧類の記号が上段に固まってるので、それらを打つときにリズムと思考が止まります。
わりとほかの先行レビューでは「キーピッチのおかげで打ちやすい」と書かれているのですが、このサイズのUMPCがほぼ初めての私にはなかなかツライものがあります。今この文章も、MiniBookで打っているのですが、まだまだ練習が必要そうです。(少しずつ慣れてきてはいます。)
キーボードはバックライトがあるので暗い場所での作業でも安心。ただこれは常時オンなので若干うざいと感じるかもしれません。(Fn+Escでオンオフ可能。)タブレットモードになったときには自動的にオフになります。
電源ボタンの指紋センサー
キーボードの右上には赤いリングで囲まれた電源ボタンがあります。かっこよくて気に入ってます。これは指紋センサーも兼ねており、ログイン時にこのボタンに触れるだけでパスワード不要になるのは便利です。
光学式マウスボタン
「B」「N」「スペース」の間にはOFNマウス、光学式のマウスボタンが搭載されています。この上で指を滑らせるとマウスのように操作できるというものです。
タップすると左クリックとなりますが、スクロール等は対応してません。簡単なナビゲーションとしては便利で使えます。ただ広い範囲を一気に動かすには移動範囲が小さくてちょっと不便です。というか自分の指で画面をタップしたほうが早いです。
ボタン自体は便利ですが、これがあるせいでこれに頼ってしまい、タッチ操作できることをを忘れてしまうのが難点です。この辺りはこういったPCに対する慣れですね。
バッテリー
CHUWI MiniBookの充電器は12V2Aのもの。Type-Cで接続するので、対応してるものならモバイルバッテリーでも充電できるのは魅力です。
私の家にはUSB PD対応でも18Wまでのものしかなかったのですが、それをつないでも操作していればバッテリーは減っていきました。電源オフの状態なら充電されていきましたが、使いながら充電したい場合はちゃんと24W以上のものを使いましょう。
なお、私はUSB PD関係は知識がしっかりしていないので詳しくは検証してないのですが、なかなか難しいものもあるようです。
パフォーマンスと使い心地
実際に使ってみると、マシンパワーとしてはそれなりに使えるものだと感心しました。Photoshopを入れてみたのですが、簡単な画像編集くらいなら問題なく動くので(さすがに快適とは言わないが)、外出先での簡単な作業も大丈夫なのかな、と思います。
ベンチマーク的なものは、ほかに掲載してるサイトがいくつもあるので、そちらをどうぞ。
ただ、やはりサイズ的な問題もあるので長時間をこれで過ごすのは難しいとも感じてます。あくまで外出中にちょこっと確認したり作業したり、という用途です。使い方を考えなくてはならないカテゴリのガジェットですよね。
まとめ:ちょうどいいコンパクトさ
前々から興味はあったUMPCを実際に試用できる機会に恵まれました。慣れは必要そうですが、意外としっかり使えるものだと感心しました。外でガッツリ作業するときにはもう少し大きいノートPCを持ち出したほうがいいと思いますが、「使うかわからないけど一応持っていく」というような、普段のお出かけのお供にはかなり良さそうです。
なんと言っても、この大きさがいいですよね。しっかりと中身の詰まったいい感じのコンパクトさ。「持ち運ぶ」という感覚ではなく「持ち歩く」という気軽さがあります。
キーボードなどちょっと特殊な面はあるものの、意外としっかり使えます。よくよく考えたら、これで約45,000円なんですよね。オプションを付けるともう少し上がっていきますが(どうせならつけたほうがいいと思います)それでも5万円弱でこれだけ使える端末が手に入るのは驚きです。
普段から外でPC作業をすることがある、でもそこまでガッツリ長時間やるわけではない、という方にはピッタリでしょう。そしてこのコンパクトなサイズが、ガジェットとして持ったときの満足感あります。
8インチサイズのUMPCは他にもありますし、ほかのものと比べたわけではありませんが、CHUWI MiniBookは価格以上にしっかり使えるGoodな端末だと感じました。
クラウドファンディングの締め切りまではもう僅かしかありませんが、クラウドファンディング終了後も一般販売があると思うので、そのときでもいいので是非検討してみてください。