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Xperia 1 レビュー:独自機能が突き刺さればベスト!新しくも「らしさ」の残るXperia

1から生まれ変わった、ソニー渾身の新フラッグシップ Xperia 1

多くの期待を集めた2019年夏の注目モデルであるXperia 1を購入してから1ヶ月と少し経ちました。ほぼメイン級として使ってみたのでレビューをお送りします。

全般的には満足できるものの、数多くある機能は使えば便利かもしれないけど刺さるかはまた別問題。そういうところは相変わらずのXperiaだな、という新しくも確かにXperiaなスマートフォンだと感じました。

Xperia 1
ソニーモバイル

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Xperia 1

Xperia 1は日本では2019年6月にドコモ・au・ソフトバンクの3社から夏モデルとして発売されたスマートフォンです。キャリアによって展開するカラー数に違いがあり、私が購入したのはパープルです。

SoCにSnapdragon855を搭載し、RAMは6GBで内部ストレージは64GB、MicroSDカードに対応。ディスプレイは21:9で世界初の4K HDR対応有機ELの6.5インチです。バッテリーは3,200mAhでUSB Power Deliveryにも対応。カメラはトリプルレンズで標準、望遠、超広角の構成です。

フラッグシップにふさわしいスペックですが、海外版では128GBもある内部ストレージが若干少なくも感じます。また価格も10万円を超え、手を出すには少しばかりの勇気が必要になります。

その他、主なスペックは以下のとおりです。

OS Android 9
CPU Snapdragon 855
RAM 6GB
ストレージ 64GB
外部メモリ microSDXC (最大512GBまで)
ディスプレイ 6.5インチ 3840×1644
カメラ 背面:26㎜(標準):有効画素数 約1220万画素/F値1.6/メモリー積層型イメージセンサー
52㎜(望遠):有効画素数 約1220万画素/F値2.4
16㎜(超広角):有効画素数 約1220万画素/F値2.4
前面:有効画素数 約800万画素/F値2.0
バッテリー 3200mAh
サイズ 約167 × 72 × 8.2 mm
重量 約178g

縦長でセクシーなデザイン

Xperia 1はそのディスプレイの縦横比から、従来のスマートフォンに比べるとかなり細長い印象を持ちます。上の画像も21:9にしてみました。

初めて実機を見たときから、セクシーな印象を受けてます。このパープルは写真に撮って色をちゃんと再現するのが難しいのですが、それも含めて、ですね。

パープルと言っても、若干青寄りのパープルでしょうか。光の当たり方によって見え方も変化していきますが、最近流行りのグラデーションがあるわけではありません。

画面サイズが6.5インチということで大きく感じますが、横幅は72mmなので意外と持ちやすいですね。ベゼルは、驚くほどではありませんが適度に細く、余計なノッチもない、素直で美しいクラシカルを昇華したような見た目です。

全面背面ともにフラットで一枚板のような印象もあり、そこでかつてのXperia Zシリーズを思い出す人もいるでしょう。

側面や、そこに至るまでの背面ガラスは若干湾曲しており、手に持った時に優しくなっています。反面、机の上から持ち上げるときには滑ってしまうのが難点。

背面カメラ部分は出っ張っています。机の上に置いた場合は端末上部だけが浮いたようになります。この出っ張りだけは残念です。(私はこの出っ張りを消すためにケースを買いましたが、それも幅や厚さが増えるので悩ましいです。)

基本性能としては文句なし

Xperia 1はフラッグシップだけあって、端末の性能は十分なものを持っています。
まずは『AnTuTu Benchmark』『Geekbench 4』『3DMark』の3つのベンチマークアプリを使ってみました。

AnTuTuの結果は354,207点、Geekbench4の結果はシングルで3508点、マルチで11,234点、3DmarkはSling Shot Extreamで5,738点でした。
似た点数のほかのスマホと比べると以下の通り。

Antutu Geekbench 3DMark
Single Multi
OPPO Reno 10x Zoom 359457 3024 11115 5727
Xperia 1 354207 3508 11234 5738
AQUOS R2 compact SH-M09 288686 2363 8776 4674
Pixel 3 285757 2375 8378 4701
OPPO Find X 285174 2310 8051 4544

Xperia 1はSnapdragon 855を搭載。現時点でのハイエンドですね。正直、高負荷なゲームをやらない人ならミドルレンジで十分なので、そういう人にこの性能は過剰とも言えるほどです。

まぁ高負荷なゲームをやる人、常にハイエンド中のハイエンドを追いかけないと気が済まない人にはちょっと物足りないかもしれませんが…。

このほかのスマホのベンチマークも集めて以下のページにまとめてあります。他の機種と比較できるので、こちらも参考にしてください。
ベンチマーク結果まとめ

ホーム画面とプリインアプリ

ドコモのSO-03Lの場合、ホームアプリは「docomo LIVE UX」「Xperiaホーム」「シンプルホーム」の3つが用意されています。上の画像はXperiaホームのもの。画面上部がスッキリ空いていて、その広さを感じます。

ホームアプリをNova Launcherに変えて、プリインストールされているアプリをフォルダを使わずに一覧表示すると上の画像のようになりました。74個ですね。

ゲームアプリをインストールするためのアプリなどもありますが、結構多くがアンインストールしたり無効化できるので、それらを行えば、スッキリします。

なお、いくつかは初期設定時にインストールするかどうかを選べます。

設定画面とストレージ、メモリ

設定画面はAndroid標準のものとあまり変わらないソニーのもので、わかりやすいです。

ストレージは初期状態で64GBの26%を使用。残り48GBは、私にとっては十分ですが、大容量のゲームを複数やったり動画をダウンロードするような人だと心もとないかもしれません。MicroSDカードが使えるので、データはうまくそちらに流しましょう。

一応、SDカードの内部ストレージ化もできます。

RAMは6GBで十分あります。だいたいいつも62-65%程度を使っているようですが、2GBくらいは余裕があります。

Xperia 1の機能

Xperia 1のそれぞれの機能について感じたことや評価など。

21:9の大画面

映画とほぼ同じ21:9という比率のシネマワイドディスプレイはXperia 1の大きな特徴です。21:9の映画視聴時に上下に黒帯が入らず、画面いっぱいに大迫力の映像を堪能できる…というのですが、今のところ用途がそれに限られているというか、活躍せきる幅が狭く感じます。

映画好きでよく見る人なら価値があるのか?と思っても、そういう人はスマホなんかじゃなくてもっと大きなディスプレイで見るよなぁ、と。

ちなみに、dアニメストアでグリザイアシリーズ(21:9で作成されてる)を見たところ、配信時に16:9に直されているようで上下左右に黒帯が入るという結果になりました。よく使うサービスがちゃんと対応していればいいんですけどね。YouTubeは対応してます。

電子書籍では、マンガのようなサイズが決まっているものは上下に大きな余白ができてしまいます。文章のものは画面全体に表示されます。

ただ、縦長も縦長なので、パッと見で画面全体を視野に収めることは難しく(全体を見ようとすると幅の狭さが目につく)どうにも上から下に視線をスクロールするような形になります。縦書き文章を読むときはその視線移動が大きいですし、ウェブページなど横書きなら指でスクロールしていけばいいのですがそれだと縦長大画面の意味がありません。

「縦に広いので画面中の情報量が多い」とはよく聞く評価ではありますが、実際に使ってみると「1画面の情報量が多くても、視野に入るのはその一部でしかない」となって、あまり意味がないのでは?とも思えます。

副次的な効果ではありますが、最近増えてきた画面上下に固定された広告やSNSボタンがそれほど邪魔に見えなくなる、というものがあります。むしろ、18:9で少し縦長が増えてきたからこそこういう手法が増えたのかもですが…。

マルチウィンドウで、メッセージアプリで会話しながらお店を探したり、片方を横向きの16:9にするともう片方が縦向きの(だいたい)16:9になったり……というのはよく言われる使い方であり、確かに便利そうです。
でも、この辺は積極的に使おうと思わないと使わないんですよねぇ…。

総じて、21:9の画面は面白くはあって、使いこなせば便利なんでしょうけど、私にはまだ早かったように思えます。悪くはないんですが、いまいち使いこなせてないです。

サイドセンス

サイドセンスも、「使えば便利なんだろうけどなんだかんだで使ってない」機能の1つです。ディスプレイの角あたりをスワイプすると呼び出せるのですが、特に使ってません。むしろ誤動作で起動することのほうが多いので、いっそオフにするか考え中です。

画面端…ということで片手持ちを想定しているようにも思えるのですが、このXperia 1は片手持ちだとけっこうバランスが難しく、操作も難しいので、両手持ちに(私は)なります。そうすると、サイドセンスってむしろ呼び出しにくいと言うかなんというか…。

Cinema Pro

Cinema Proはシネマ撮影専用機能で、プロの映画撮影のような動画がかんたんに撮れます。これは撮ってみるとなかなか面白いです。

実際にCinema Proで撮ってみた動画です。なんとなく雰囲気はありますよね。ちゃんと考えて撮れば、素人でもそれっぽいものが作れそうです。
まぁ「やれば」ですけどね。

指紋認証

久しぶりに(?)側面に復活した指紋センサー。以前とは違い電源ボタンとは別になっています。別になったことで間違えるとかそういうことはなく、すぐに慣れました。ただボタン類が増えてしまったのはあまり好ましくありません。(シャッターボタンはなくさないでいいけど)

画面オフから指紋認証でホーム画面を表示するテストです。明らかに遅い…というわけではありませんが、少しのんびりした印象を受けます。また、反応自体があまり良くないのか、失敗することもよくあります。

指紋認証以外にも、セキュリティ関係ではSmart Lockが使えます。久々に見た気もしますが「認証済みの顔(Face Unlock)」もあります。複数回登録することで精度を上げることができるようになったんですね。

カメラ

Xperia 1のカメラはXperiaとして初のトリプルカメラです。メイン・望遠・超広角があり、必要に応じて使い分けることができます。

カメラのUIは標準的でわかりやすいですね。21:9なので、写真のサイズを16:9にしても、操作部分が撮影範囲にかぶりません。これが被ってしまうスマホカメラだと、どうにも右に余白が多い写真になりがちですからね。

超広角カメラ

トリプルカメラの1つ、超広角のサンプルです。通常と比べてみましょう。

これが通常の写真です。

同じ位置から超広角で撮影するとこの通り。
なかなか周囲の歪みが激しいですが、これはオプション設定で画質優先にしているからです。これを歪み補正優先にすると…

この通り、かなり補正されて普通の写真のように見えます。もちろん表示範囲も通常に比べかなり広がってますよね。なんと言っても、自分のすぐ手前が写ってるのがすごいです。狭い室内で、部屋の全体像を撮影したいときなどに効果を発揮するんじゃないでしょうか。

このほか、いくつか撮影したものを掲載します。(クリックで大きくなります。)

実際に撮影した写真をGoogleフォトにアップしてあるので、興味ある方はご覧ください。

バッテリーもちは悪くない

Xperia 1のバッテリーは悪くありません。少なくともPixel 3よりは遥かに良いです。Geekbench 4のバッテリーテストでは4,912点をマークし、8時間以上もちました。この数字はかなり良い方です。

ただ、実際に使ってみるとその数値よりか少し劣っているようにも思えます。いや、悪くはないのですが、ほかのバッテリー自慢の機種に比べるとそうでもないかな、と言う程度です。

バッテリー容量が3,200mAhなので、これがもっと増えてくれるとかなり良くなると思うのですが、難しいですね。まぁ1日普通に使う分には十分もつだけはありますので、これ以上はそう気にしなくてもいいのかもしれません。

まとめ:ライフスタイルに合えば

Xperia 1、普通に普通のスマホとして使えば優秀な子です。Xperiaで育った私には素直で良い子です。何の問題もありません。お値段は高いけど。

ただ、個性を出そうと付けている数々の機能、これが必要なのかどうか。刺さる人には刺さるんだろうけど、現時点ではやはりまだ早かったり、ニッチな分野だったり誰が使うんだ?というものがチラホラあります。発売前から言われてきたことですけどね。

私のライフスタイル的にはそれらはほとんどカットしても構わないようなものでした。そういった意味では、私には合わないスマホだったのかも…と思い、少しだけ離れようとしたこともありました。

でも、別に機能があるからって使わなければならないわけじゃないんです。使わなくってもXperia 1は優秀なんです。まぁ側面が滑りやすいだとか微妙なところもありますけど、基本的なスペックは満足しています。

うーん…。本当に広く一般に突き刺さる部分が端末デザインくらいしかない、というのはいかにもXperiaらしいという気さえしてきます。けっこう酷評してる気もしますが、私は嫌いじゃないですよ、Xperia 1のこと。でもマッチはしなかったように思えます。

1から生まれ変わった新しいXperia、あなたに突き刺さるでしょうか。

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