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BlackBerry KEY2 レビュー:人は選ぶが刺さる人には深く刺さる物理キーボード搭載の個性派スマートフォン

FOX社よりレビュー用として提供していただいたBlackBerry KEY2を使用して半月ほどが経ちました。ここまで何回か紹介記事を書いていますが、それらを踏まえてBlackBerry KEY2のレビューを書いていこうと思います。

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BlackBerry KEY2の概要と評価

BlackBerry KEY2は、日本では2018年9月7日に発売された物理キーボード付きのスマートフォンです。デュアルSIMでストレージが64GBのシルバー(BBF 100-8)と、シングルSIMでストレージ128GBのブラック(BBF 100-9)があり、今回はブラック(BBF 100-9)のレビューとなります。

もはやBlackBerry以外では目にする機会もなくなってしまった物理キーボードが最大の特徴となりますが、その他にも多彩で強力なセキュリティ機能があり、性能的にもミドルハイクラスの十分なものを持っています。

ただ、キーボードがあるせいで画面が小さくなってしまっている点、そして多くのアプリは画面タッチでの操作に最適化されていることから、普通のスマートフォンにはない苦労もあります。それらを受け入れてでも物理キーボードを使いたい人向けという、かなり人を選ぶスマートフォンです。

外観デザイン

今回はレビュー用のサンプルなので内容物は製品版とは若干異なります。本体のほかACアダプタにUSBケーブル、イヤホン、SIMピンが付属します。製品版ではマニュアル等も付属します。

前面は物理キーボードが約4分の1を占める特徴的な見た目をしています。その見た目や持った感触も、最近のスマートフォンとは少し違ってクラシックな雰囲気があります。

背面はラバーコーティングされており滑りにくくなっています。カメラ部分が少し出っ張っており、机の上に置いて操作すると多少ガタガタしてしまうのが残念です。(この機種では机の上に置いての操作はあまりやらないと思いますが。)

USBはType-Cで、上側にはイヤホンジャックもあります。右側面には音量キーや電源キーのほかに「便利キー」があります。慣れれば問題ないですが、最初はどちらが電源キーなのか迷うかもしれません。便利キーはショートカットなど登録できますが、『Button Mapper』というアプリを使えば更に拡張できるようです。

SIMスロットは左側面です。nanoSIMとMicroSDカードが入ります。シルバー(BBF 100-8)であればデュアルSIMなので2枚のSIMがここに入ります。

スペックとベンチマーク

簡単なスペックは以下のとおりです。より詳しいものは公式サイトをご覧ください。

OS Android 8.1 Oreo
CPU Qualcomm Snapdragon SD660
RAM 6GB
ストレージ 128GB
外部メモリ microSDXC (最大2TBまで)
ディスプレイ 4.5インチ 1620 x 1080
カメラ 背面:1200万画素x2 前面:800万画素
バッテリー 3500mAh
サイズ 151.4 x 71.8 x 8.5 mm
重量 160g
ネットワーク LTE : 1/2/4/3/5/7/8/12/13/17/18/19/20/26/28/32/38/39/40/41
3G : 1/2/4/5/6/8/19

各種ベンチマーク結果は以下の通り。

AnTuTuの結果は、他のサイトだと14万点に届くくらいまであるようです。

他いくつかの端末と合わせてまとめると以下のようになります。

SoC Antutu Geekbench 3DMark
Single Multi Battery
ZenFone 5 (ZE620KL) AIブースト Snapdragon 636 139980 1493 5471 963
Huawei P9 Kirin 955 133470 1608 6008 2312 962
BlackBerry KEY2 Snapdragon 660 129708 1629 5549 4260 1209
AQUOS R compact SH-M06 Snapdragon 660 127141 1628 4560 3215 1318
ZenFone 5 (ZE620KL) Snapdragon 636 125019 1322 4892 3376 949

AQUOS R compactと同じSnapdragon660を搭載しているので、ベンチマーク結果も似たようなものです。このクラスは現在ミドルからミドルハイと言われるものですが、通常の操作ではまず不満はありません。ハイスペックを要求するようなゲームでは厳しいところもあるでしょうが、BlackBerry KEY2の使い方を考えればそういった用途ではないので問題ないでしょう。

Geekbench 4によるバッテリーテストでは4260点を記録。バッテリーが0%になるまで7時間6分でした。これはなかなか優秀なほうです。

これまでのベンチマーク結果は以下のページにまとめています。参考にどうぞ。

カメラ

BlackBerry KEY2のメインカメラは1200万画素+1200万画素のデュアルカメラです。ポートレートモードもありますが、それほど機能豊富なわけではありません。本機のコンセプトから考えればカメラ機能はそこまで重視されていません。

全体的にきれいに撮れると思いますが、陰影クッキリというよりは若干やさしめになる気がします。食べ物についてはあまりオススメしません。

このあとの2枚はポートレートモードで撮影したものです。

ドロイド君のツノ部分などはボケの範囲内に入ってしまう時がありました。また、全体的にボケ具合が不自然に見えることがあるので、ポートレートモードについては写り具合を確認しながら何枚も撮ったほうが良さそうです。ポートレートモードじゃなくても多少のボケはちゃんと出るので、使わなくてもいいかな、とも思います。

キーボード

BlackBerry KEY2の最大の特徴でもあるキーボードですが、慣れると使いやすく便利です。最初は指の腹と先と爪と、どこで押せばいいのか戸惑ったりもしますが、2,3日使っていると慣れてきます。

さすがに片手操作で入力は無理がありますが、PCのキーボードに慣れている方ならあまり苦労なくこちらにも慣れることができると思います。

入力用アプリとしてBlackBerryキーボードとiWnnが入っており、これらでも大きな問題なく入力可能です。ただほかのスマホでATOKを使っていればそれも選択肢に入りますし、PCライクな使い方をしたいのであれば『AquaMozc for BlackBerry』が現状最強だと思います。

また、BlackBerry KEY2のキーボードは単に入力のためだけでなく、キーボード上で指を滑らせてスクロールしたり、アルファベットのキー全てがショートカットキーになるなどいくつかの機能があります。これらも使いこなせばかなり便利になります。

BlackBerry KEY2の物理キーボードは便利です。なので多くの操作をこのキーボードでやりたいところですが、スマホの操作は基本的に画面タッチを前提としています。なので、キーボードを操作する場面と画面をタッチして操作する場面が混在することになります。これがなかなか面倒と感じるときがあります。トラックボールや決定キーのようなものが付いてるとキーボードだけで操作が完結しそうなんですけどね。

セキュリティ

BlackBerryといえばセキュリティ機能も豊富にあります。

「Privacy Shade」は周りから画面を覗き見られるのを防ぐ機能です。これを使うと画面の一部のみが表示され、その周りは暗くなります。

「DTEK」はプライバシー保護とセキュリティに特化したBlackBerry端末専用アプリで、マイクやカメラ、位置情報、個人情報などにアクセスしているアプリを個別に監視およびコントロールすることができます。

このほか、カメラで写真を撮るときに画面内のシャッターボタンではなく指紋センサーに触れて撮るとシークレットフォルダに保存されるという機能もあります。スマホのセキュリティが気になる人には役立つ機能がたくさんです。

まとめ:万人向けではないが個性で突き抜けるスマホ

BlackBerry KEY2は良くも悪くも物理キーボードが肝です。PCでのキーボード操作に慣れていて、スマホでもそれを求めるのであればもはや唯一と言っても過言ではありません。ただ、これが拘るほど必要なのか、慣れられるかは人によります。覚えなければならない操作も多いですし、わかりきっていることではありますが、万人向けとは言えないスマートフォンです。刺さる人には刺さるんでしょうけどね。

私はこのBlackBerry KEY2が、ほぼ初めての物理キーボード搭載スマホでした。そういう私が触ってみても、これが拘るだけのものはあるスマホだとわかります。物理キーボード端末が好きな人たちの褒める言葉もよく見ますが、それも納得です。

この物理キーボードを試してみたいと考える人も多いと思うのですが、やはり壁となるのは価格ですよね。本機は税込89,800円、シルバーの方でも79,800円です。ハイエンド端末が買えてしまうような値段なので、自分に合っているのかわからない状態では躊躇してしまいますよね。もう少し廉価帯でも物理キーボード搭載端末(BlackBerry KEY2 LEとか)が増えるといいのですけれど。

BlackBerry KEY2 レポート

参考情報

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