先日お知らせしたとおり、TwitterのUserStream APIが停止に向けて動きだしました。さっそく、少なからずの混乱があったようです。
しかし、実はこの先、もしかするとUserStreamよりも大きな混乱を呼ぶかもしれない、もう1つ大きな変更が9月10日に予定されています。
追記:10月22日に延期されました。
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POSTエンドポイントに対する新たなレート制限
2018年9月10日より、新しいデフォルトのアプリレベルのレート制限が導入されます。
この新しいレート制限により、アプリごとに「ツイート」「リツイート」「いいね」「フォロー」「ダイレクトメッセージ」を利用できる回数が制限されます。具体的な回数は以下のとおりです。
- ツイートおよびリツイート(合算値):3時間で300件
- いいね:24時間で1000件
- フォロー:24時間で1000件
- ダイレクトメッセージ:24時間で15,000件
3時間でツイートとリツイートを合わせて300回しかできなくなります。この数、一見かなり余裕があるように見えますが、実はこれはアプリごとの制限、そのアプリを使っている利用者全員での制限なのです。
例えば『Tweecha Lite』のインストール数は10万を超えていますが、その全員合わせて3時間に300回しかツイートまたはリツイートできなくなります。300人しか使ってないようなアプリでも、単純計算で3時間に1回レベルとなります。
悪意ある行為を防ぐため
信じられなくて笑ってしまうような制限ですが、これはスパムを作成するような悪意ある行為を防ぐために行われます。確かにスパム的行為をしようにも3時間で300件では効果は期待できませんからね。
審査でレベル制限を解除
この制限がそのまま適用されてしまうと、普通の健全なアプリは使い物になりません。なので、開発者はTwitterにリクエストを提出し、審査を通れば現在と同レベルのアクセスが認められます。
つまり、アプリ開発者がちゃんと申請してそれが通れば、これまで通り問題なく使えます。
時間はあるのか、ないのか
この制限が始まるのは9月10日からですが、このリクエストの方法が発表されたのは8月16日です。実施まで1ヶ月を切り、UserStreamの停止が始まりそれによるユーザー対応にも忙しいというタイミングです。
このレート制限についての案内自体は7月24日に出ていました。
その中で、以下のように書かれています。
この変更による混乱を最小限に抑えるため、私たちは影響を受ける可能性があるアプリケーションのポリシー審査をあらかじめ実施し、資格を満たしている開発者の方々には9月10日にアプリに悪影響が及ばないよう、高いアクセスレベルのリクエストの方法についてご連絡します。
プラットフォームの健全性向上を目指す開発者向けの新しい要件
この連絡が来たという開発者は日本では見当たりませんでした。
開発者登録にも一苦労
なお、このレート制限やリクエストの話の前に、開発者アカウント登録も新しくなっています。この登録ではアプリの利用目的などを300字以上の英語で説明するといったものがあります。
そして、今回のレート制限の解除申請もまた、100字以上の英語作文が必要だということです。悪意あるスパム等を排除するためというのはわかるのですが、開発者の方にはなかなか面倒な負担がかかります。
ちなみに、このサイトは記事公開と同時にTwitter投稿しており、その機能のために開発者登録しています。これを使い続けるためには当サイトでもこの新しい登録をしなくてはならない…と思っています。このサイトだけで使っているアプリなので解除制限は必要ないのですが。
古いアプリが淘汰される可能性
7月にレート制限が発表され、申請方法がわからないままヤキモキしていたものの、ようやく解除申請できるようになりました。開発者の方はUserStream関連の対応と合わせて負担がかかりますが、対応すれば特に問題は起きないように思えます。
ただ、世の中で使われているサードパーティー製のTwitterアプリの中には、すでに開発終了し更新がまったくないものがあります。そういったアプリが今回のレート制限で解除申請するのかどうか。
UserStreamの停止は開発者やヘビーユーザーにとってかなり大きな衝撃でしたが、UserStreamを使っていない一般ユーザーにとってはあまり関係ないことでした。しかし今度のレート制限では、解除申請をしなかったり申請しても審査が通らなかったアプリについてはほとんど使い物にならなくなる可能性があります。
もう何年も更新がないようなアプリでも、それを使っているユーザーはまだまだ見ます。そういったアプリが突如ツイートできなくなったりすると、また混乱が起きるかもしれません。UserStreamの件でも、これをきっかけに開発終了を宣言するものがありました。そういったアプリは9月10日で本当に終わってしまうかもしれません。
公式アプリは何の問題もありません
なお、今回もまた公式アプリでは制限などないので関係のない話です。UserStreamの停止よりは影響範囲が大きいかもしれませんが、Twitter側から見れば小さなものなのかもしれません。
公式以外のアプリと、それを使うユーザーにとってはどんどん使いにくくなっていきますね。利益を出すための戦略としてはわからないでもないですが、悲しいことです。