2018年4月下旬、Twitterなどで「mineoが通信の最適化をし始めたのではないか?」と話題になっていました。mineoの規約上は一応、通信の最適化をやる場合もあるとしていましたが、実際にはこれまでは行われていませんでした。
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通信の最適化とは
通信の最適化というのは、ウェブサイトなどを表示するときに、その内容によって、例えば大きな画像をスマホサイズに合わせて小さく圧縮・変換して表示することです。「通信の最適化」で検索すれば色々な問題があることがわかります。
通信の秘密にも関係することで、特に有識者からは問題視されていることが多いです。大手キャリアでは現在ドコモとauが実施していますが、解除することは可能です。ソフトバンクはかつて実施していて解除もできませんでしたが、現在は実施していません。
通信の最適化による簡単なメリット・デメリットは以下のとおりです。(通信の秘密に関することは除く)
- 圧縮されることで通信量が減る
- 通信量が減るので表示される速度が速くなる
- 圧縮され、画像などが粗くなる
- ウェブページの作者が本来伝えたかったもの(画像など)とは異なる
- 圧縮され別のものになるため、一部ゲームで利用不可になることがあった
ふくそう時に最適化を実施
通信の最適化がされているのかどうか、Twitterのmineoサポートアカウントに実際に問い合わせている方がおり、回答されています。
ご連絡恐れ入ります。mineoサービスにおきましては、現状、ふくそう時には通信の最適化を実施しております。よろしくお願いいたします。
— mineoサポート (@mineosupport) 2018年4月26日
ということで、輻輳時(集中して混雑している時間)においては、実際に通信の最適化が行われているとのことです。
さらに、
ご連絡恐れ入ります。お客さまによる通信の最適化の解除は受け付けておりません。よろしくお願いいたします。
— mineoサポート (@mineosupport) 2018年4月26日
とのことで、ユーザー側が通信の最適化を解除する手段は(2018年4月現在では)ないようです。
ほかのMVNOの実際を調査
mineoが通信の最適化を実施しているとのことで、ではほかの格安SIM(MVNO)はどうなのか、普段速度測定で使用しているSIMを使って調べてみました。
対象SIM | IIJmio(D/A), イオンモバイル タイプ1/2, LINEモバイル, OCN モバイル ONE, BIGLOBEモバイル(D/A), NifMo, 楽天モバイル, b-mobile, b-mobile S, DTI SIM, ロケットモバイル, nuroモバイル(D/S), 0SIM, mineo(D/A), UQ-mobile, ワイモバイル |
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確認方法 | 通信の最低^H^H最適化の確認にアクセスして確認。ブラウザはChromeでデータセーバーはオフ |
確認日時 | 2018年4月27日(金) 10:30頃と12:30頃の2回 |
- mineo(D/A)
- IIJmio(D/A)
- イオンモバイル タイプ1/2
- LINEモバイル
- OCN モバイル ONE
- BIGLOBEモバイル(D/A)
- NifMo
- 楽天モバイル
- b-mobile
- DTI SIM
- ロケットモバイル
- nuroモバイル(D/S)
- 0SIM
- UQ-mobile
- ワイモバイル
mineo(D/A)
au回線
mineoのau回線は、サポートの言う通り午前の通常時は最適化されておらず、昼のふくそう時に通信の最適化されていました。
ドコモ回線
ドコモ回線も、同様に昼時間帯に通信の最適化を確認しました。
IIJmio(D/A)
ドコモ回線
IIJmioのドコモ回線は午前も昼も通信の最適化はなしです。
au回線
IIJmioのau回線は午前も昼も通信の最適化はなしです。
イオンモバイル タイプ1/2
タイプ1
イオンモバイルのタイプ1はIIJmio系です。午前も昼も通信の最適化はなしです。
タイプ2
イオンモバイルのタイプ2はOCN系ですが、こちらも通信の最適化はされていません。
LINEモバイル
LINEモバイルは午前も昼も通信の最適化なしです。
OCN モバイル ONE
OCN モバイル ONEは午前も昼も通信の最適化なしです。
BIGLOBEモバイル(D/A)
au回線
BIGLOBEモバイルのau回線は午前も昼時間帯も最適化ありでした。ただし最適化しないapn設定であれば、最適化なしになります。
一応15時半ごろにももう一度試してみましたが、やはり最適化ありとなりました。
ドコモ回線
BIGLOBEモバイルのドコモ回線は午前中は通信の最適化なし、昼時間帯は最適化ありでした。ただし最適化しないapn設定であれば、最適化なしになります。
NifMo
NifMoは午前も昼も通信の最適化なしです。
楽天モバイル
楽天モバイルは午前中は通信の最適化なしでしたが、昼時間帯は最適化ありでした。
b-mobile
ドコモ回線
b-mobileのドコモ回線は午前も昼も通信の最適化なしでした。
ソフトバンク回線
b-mobileのソフトバンク回線(開幕SIM)は午前も昼も通信の最適化なしでした。
DTI SIM
DTI SIMは午前も昼も通信の最適化なしでした。
ロケットモバイル
ロケットモバイルは午前も昼も通信の最適化なしでした。
nuroモバイル(D/S)
ドコモ回線
nuroモバイルのドコモ回線は午前中は通信の最適化なしでしたが、昼時間帯は最適化ありでした。
ソフトバンク回線
nuroモバイルのソフトバンク回線も午前中は通信の最適化なしでしたが、昼時間帯は最適化ありでした。
0SIM
nuroモバイルとほぼ同じですが、SIMについても午前中は通信の最適化なしでしたが、昼時間帯は最適化ありでした。
UQ-mobile
UQ-mobileは午前も昼も通信の最適化なしでした。
ワイモバイル
ワイモバイルは午前も昼も通信の最適化なしでした。
通信の最適化を行っているのは4社
まとめると、通信の最適化が行われていたのは以下の4社でした。
- mineo
- BIGLOBEモバイル
- 楽天モバイル
- nuroモバイル (0SIM)
このうち、BIGLOBEモバイルについては通信の最適化を解除する方法(専用のAPN設定)が公開されています。また、nuroモバイルについては2017年9月30日以前に利用開始した方であれば、サポートデスクへ連絡することで解除を受け付けてもらえるようです。
mineoと楽天モバイルについては、解除の方法は無いようです。
今回調べた以外だと、mineoがMVNEとなっているFiimoも通信の最適化を行っているとのことです。
案の定mineoをMVMEとするFiimoも通信の最適化してるとのこと pic.twitter.com/lbNmHjaztS
— かえざくら@サイトブロッキング反対 (@kae_sakura) 2018年4月27日
まとめ
通信の最適化については、いろいろ問題があるのもありますが、ユーザー個人レベルでもメリット・デメリットがあるので、やはり選択できたほうがいいでしょうね。ドコモやauはそうなってますし、BIGLOBEモバイルも説明のページがあります。
今回mineoが問題となっているのは、最適化を行ったことよりも「(規約で可能性は語られていたものの)事前告知がなかった」「解除の手段がない」ということが大きいです。事後となっても、ちゃんとした説明と解除手段を用意してくれると嬉しいのですが。
格安SIMの選択基準はいくつもありますが、これからはこの「通信の最適化」をその1つにしてもいいでしょうね。