Banggoodより、レビュー用にSHARPのAQUOS S2を提供していただきました。2017年8月に発売されたスマートフォンで、三辺狭額でディスプレイに前面カメラがめり込んだ、Essential Phoneにも似た形状が特徴的な機種です。スペック的にはSnapdragon 630を搭載しRAM4GB、ストレージは64GBでミドルレンジに入ります。
シャープの似た形状のスマートフォンというとAQUOS R Compactがありますが、それとAQUOS S2はまったくの別物です。そもそも日本で発売されていない機種ですし、SHARPでAQUOSの名前が付いているのですが実際にはFIHという会社が製造しているようです。FIHはシャープと同じく鴻海傘下になっており、InFocusブランドのスマホも製造しています。
なかなか特徴的なスマホであるAQUOS S2ですが、2回に分けてレビューしていきたいと思います。まず今回は製品の見た目などハードウェア方面から見ていきたいと思います。
- 本記事は広告およびアフィリエイトプログラムによる収益を得ています。
高級感はないが特徴的なデザインが光る
きれいな白い箱にシャープロゴと同じ赤が映えます。この箱は赤い部分を引き出す方式になっています。ちょっとかっこいい。
内容物は本体以外にACアダプタとUSBケーブル、Type-Cと3.5mmの変換ケーブル、SIMピンにケース、マニュアル類となっています。ケースがついているところが中華スマホっぽいです。まぁシャープはに入っており、このS2も中国市場で販売されているものですからね。
USBケーブルが平たいきしめんタイプなのはちょっとポイント高いです。
前面はベゼル部分も真っ黒でつるっとした印象を受けます。ディスプレイ下部にSHARPロゴが入り、その下に指紋センサーがあります。このあたりは最近の国内のシャープ製スマホと同じですね。
背面はプラスチックで、高級感はありません。よくある安めのカジュアルなスマホらしさがあります。これなら気軽に持ち出せそうです。カメラは12MPと8MPのダブルカメラで、ボケ効果などをうまく生み出せます。
右側面に電源と音量ボタン、左側面にSIMスロットがあります。
SIMスロットは2枚のSIMが入るデュアルSIMですが、片方はMicroSDカードとの排他仕様となっています。SIMのサイズはどちらもnanoになり、4G+3Gのデュアルスタンバイに対応しています。
実際に持ってみると、背面の両端がカーブしていることもあって持ちやすく感じます。大きさは141.8x72x7.9mmで、重さは実測で139gです。5.5インチという画面ですが横幅72mmで139gということでコンパクトに感じます。
さすがに「画面だけを持っている」みたいな感覚にはなりませんが、なかなかの狭額ぶりです。
狭額フルスクリーンディスプレイ
外見上、一番の特徴となるのが画面上端部分です。前面カメラをディスプレイにめり込ませることで三辺がかなりの狭額になっています。そのため、ディスプレイの右上と左上部分が斜めにカットされています。この部分が丸くなっているスマホはよく見かけますが、このような切り方は珍しいです。
このディスプレイは5.5インチで解像度は2040×1080のFHD+です。縦横比は17:9と従来のものよりやや縦長、画面占有率は87.5%となっています。
なお、カメラ部分や隅のカットされた部分も、スクリーンショットを撮るとちゃんとそこがあるかのように記録されます。
同じように前面カメラがディスプレイに入り込んだスマホであるEssential Phoneと並べると、AQUOS S2の方が若干カメラ周りが大きいようです。
実際の表示では、基本的にカメラがある部分までがステータスバーとして扱われます。コンテンツがそこまで表示されるものもあれば、黒塗りになってしまう場合も。(設定でフルスクリーンを使うかどうかも選択可能。)黒塗りだと端末の前面パネルに溶け込んでしまい、普通のスマホのように見えます。実際、残って表示される部分はだいたい16:9になります。
ナビゲーションバー代わりにもなる指紋センサー
AQUOS S2は前面下部に指紋センサーがあります。背面と違い、机の上に置いたままでも指紋認証でロック解除できるのは便利です。スマホを操作するときと持ち方もそう変わりませんしね。
反応はあまり早くはありません。指を当て、間があってからホーム画面になる感覚です。
この指紋センサー部分はナビゲーションバーの代わりとしても使うことができます。単押しで「戻る」、長押しで「ホーム」、横にスライドすることで「履歴」と同じ動作となります。これがなかなか使いやすくていいですね。かつてのFREETELボタンと同じようなものですが、もう少しシンプルで使いやすい印象です。
画面上のナビゲーションバーは非表示にすることもでき、そうすることで17:9の画面をフルに使うことができます。そうなるとかなり広く感じます。
カメラ
いくつかAQUOS S2で撮影した写真を載せてみます。どれもサイズ縮小だけは加工しています。
写真左下にウォーターマークを入れることができます。(入れないことも可能)
夜でも比較的明るくしっかり撮れ、ノイズも目立ちません。派手に彩ることもありませんが、悪くない写りだと思います。正直あまり期待していなかったので、思ったよりもちゃんと撮れるなぁ、という印象。もっとちゃんといろんなものを撮っておけばよかったです…。
面白いのは背面のダブルレンズカメラを使ったポートレートモード(ボケモード)です。ダブルレンズカメラの片方が深度を取るようになっており、それでこのように美しく自然にボケを生み出せます。
他社のなんちゃってボケモードでは、指定したものの周りをソフトウェア的にぼかしているだけ、というのがよくありますが、AQUOS S2のボケはちゃんと被写体との距離によってボケる部分ボケない部分が決まっています。ドロイド君の角部分のような細かいところがボケずにちゃんと残っているのが素晴らしいですね。ここまではっきりボケてくれると、撮るのが楽しくなってきます。
スペックとベンチマーク
SHARP AQUOS S2には4GB/64GBの通常版と6GB/128GBの上位版があります。今回レビュー用に提供していただいたのは4GB/64GBの通常版となります。
OS | Android 7.1.1 |
---|---|
CPU | Qualcomm Snapdragon 630 |
RAM | 4GB |
ストレージ | 64GB |
外部メモリ | microSDXC (最大128GBまで) |
ディスプレイ | 5.5インチ 2040×1080 (FHD+) |
カメラ | 背面:12MP + 8MP / F1.75 前面:8MP / F2.0 |
バッテリー | 3020mAh |
サイズ | 141.8 x 72.04 x 7.9 mm |
重量 | 140g |
ネットワーク | 2G GSM: 900/1800/1900 MHz CDMA: 800(BC0)MHz 3G WCDMA: 850/900/1900/2100 MHz TD-SCDMA: B34/B39 4G LTE FDD: B1/B3/B4/B5/B7/B8/B12/B17/B28 LTE TDD: B34/B38/B39/B40/B41(2555-2655 MHz) |
各種アプリによるベンチマーク結果は以下の通り。
AnTuTuのスコアは69234点、まさにミドルレンジではありますが、その中でも少し高いかな、といったところです。
Geekbench4のバッテリーテストでは3105点、テスト開始後6時間35分でバッテリー切れとなりました。悪くない結果です。
AnTuTuスコアで似たような端末と一緒にまとめてみました。
Antutu | Geekbench | 3DMark(SSE) | |||
---|---|---|---|---|---|
Single | Multi | Battery | |||
Robin | 74283 | 1267 | 2339 | 1459 | 1142 |
AQUOS S2 | 69234 | 853 | 4133 | 3105 | 830 |
ZenFone 3 | 62966 | 861 | 4111 | 2714 | 464 |
Huawei P10 lite | 59005 | 857 | 3341 | 3267 | 414 |
実際の動作としてはほとんどの場合に快調で、引っかかりなど感じることなく操作できます。ただ、私がよくプレイしている『オルタナティブガールズ』では、音が不安定になったり(イヤホンだと問題なし)最初にキャッシュを削除しないと最初の読み込みが終わらないなどありました。音に関しては他のアプリでは発生しないのでオルガルのほうの問題なのかなぁ?といったところ。ただデータ読み込みの開始にやけに時間がかかるというのはほかでも度々ありました。
まとめ
ミドルレンジのスマホとしては使いやすい機種だと感じました。特徴的なフルスクリーンディスプレイですが、実際の使用で特に気になることはなく普通に使えます。上手く活かせているかというと疑問はありますが、試みとしては面白いでしょう。
こうした狭額で画面占有率の高いスマホの中では比較的安価で購入できる機種でもあります。ソフトウェア面などメインとして使用するには厳しい部分もありますが、サブや遊び用としてはいいと思います。
次回は設定やUIなどソフトウェア面でAQUOS S2を見ていきたいと思います。