Wiko Tommy レビュー その3:価格相応と言えばそうだが案外普通に使えて面白くない
Wikoの若者向けスマートフォン「Tommy」を発売から10日間ほど使って見ましたので、少し早い気もしますが全体的なレビューをしていきます。
簡単な結論としては、「価格並みな動作の部分もあるが思ったほどダメではない、むしろ普通に使えて面白くない」と言ったところです。元々このスマホを買うときに発表会時の他メディアのレポート等を見て「これはきっとダメ端末だ」と思ったので、それ込みで購入したのでした。ダメ具合を楽しもう、と。それはまるでg06のときと似たものでした。でもこの10日間で、意外と使えそうな気がしてきました。
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若者らしいポップな外観
Tommyは若者をターゲットにしたスマートフォンとのことですが、外観はポップでエネルギッシュなイメージを持っています。それが若者に受けるのかはともかく、たしかに若者らしさがあります。
5インチで横幅71.5mmというサイズは持ちやすく、非常に慣れた感覚もあります。ただ若干ベゼルが太く見えますし、画面の端に指が届かないこともあります。(これは私の手が小さいということもありますが。)
端末に高級感はありませんが、そもそもコンセプトとしてそういったものを求めていないので、それを理解していればこの外見はかなり「アリ」だと思います。Wikoのコーポレートカラーであるブリーン(Blue+Green)も人気のあるミント系で、私は好きです。
ただ、カメラ部分が出ているので、机の上に置いた状態での操作はガタガタしてしまうので、そこは残念ポイントですね。
設定画面やUI
設定画面等のUIは下手にカスタマイズされていないほぼ素のAndroidとなっています。そこにナビゲーションバーのボタン順序変更やジェスチャー操作など使って便利な機能が加えられています。
若干日本語のおかしな部分が残っていますが、全体的には好印象です。下手にカスタマイズしてどこに何があるのかわからない独自の名前を持ったカスタムUIよりは、遥かに使いやすいと思います。(そのブランドに染まってしまえばカスタマイズされたUIも使いやすいのですが…。)
Wiko Tommyのスペックとベンチマーク
Tommyの簡単なスペックは以下のとおりです。
OS | Android 6.0 |
---|---|
CPU | Qualcomm Snapdragon 210 MSM8909 クアッドコア1.3GHz |
RAM | 2GB |
ストレージ | 16GB |
外部メモリ | microSD (最大64GBまで) |
ディスプレイ | 5インチ 1280×720 (HD) |
カメラ | 背面:800万画素 前面:500万画素 |
バッテリー | 2500mAh(取り外し可能) |
サイズ | 約145.9 × 71.5 × 8.9 mm |
重量 | 約145g |
ネットワーク | 4G LTE 2100/1800/900/800U/800L H+/3G/3G UMTS 2100/800U GSM 850/900/1800/1900 |
『Antutu Benchmark』と『Geekbench 4』によるベンチマーク結果は以下の通り。
AnTuTuで21573ポイント…低いですね。まぁ価格が価格だけにこんなものでしょうか。
使用感:動きは中の下
実際の動きについてですが、最初の印象は「意外としっかり動くな」でした。基本的な動きに関しては引っかかりもなく、スルスルと動きます。もっとダメな端末を想像していたので拍子抜けでした。
ただ、しばらく使っているとやはり引っかかりが見えてきました。タッチ精度が良くないのか、反応が遅れることが時々あり、タップしたのかわからないということが度々あります。まぁ1万5千円程度の価格帯のスマートフォンはこの程度でしょうから、価格相応といったところでしょうか。
ゲームもできなくはない
ゲームについては『オルタナティブガールズ』をプレイしています。このゲームは3Dモデルを使っているもののそこまで重くはないと言われています。基本的な動作や表示は問題ありませんが、シーンの切替時の読み込みに時間がかかる印象です。キャッシュが溜まっていないせいかと思いましたが、しばらくプレイしていても変わらず。耐えられないほどではありませんが、もっと高性能な機種でプレイしたほうが快適です。
ちょっと興味があった『崩壊3rd』もプレイしてみましたが、似たような状況ですね。アクション部分は(少なくとも導入部分では)概ね問題ないですが、メイン画面からの切り替えやボタンタップからの反応が鈍いです。そういったところに我慢しながらのプレイになります。
画質はそこそこだけどフレームが楽しいカメラ
カメラについては、画質は…うーん…あまりいいとは言えませんが、悪いとも言えません。価格の安い端末(激安中華スマホなど)だとカメラが使えたものではないといったものも少なくないのですが、Tommyのカメラは「まぁ使える」といったところです。
いくつか撮影したものを載せておきます。(タップで大きな画像へリンクしています。)
それなりには撮れますが、室内ではノイズが目立ちますし、カメラにこだわりたい人には物足りないでしょう。ただまぁ、それは普通に撮ればの話です。
フレームが面白い
画像加工アプリではよく見る機能ですが、Tommyには標準でフレーム機能がついています。あらかじめ用意されたフレームと合成した写真を撮る機能です。
Tommyのフレームはかなり大胆です。上の画像で言うと、実際に撮影している部分はドロイド君がいる部分だけです。残りの車の内装やコーヒー、タブレットは全部フレームです。もはやフレームというよりははめ込み画像ですね。こういった写真をデフォルトで簡単に撮ることができます。背面カメラ・前面カメラのどちらでもOKです。
これは他のスマートフォンではなかなか見ない機能であり、いかにも若者向けといったところでしょうか。写真を撮るのではなく、楽しい画像を作るためのカメラ、という位置づけなのかもしれません。
意外と便利な機能
カメラの設定項目はそう多くはありません。しかしそのうちの5個をメイン画面にショートカットとして置くことができるという機能があり、これがなかなか気が利いています。人によってよく操作する項目は違ってくると思いますので、それを選んで置けると言うのは便利です。
実際におすすめできる対象は?
Tommyは若者向けとされています。では私はこれを若者に勧めるかと言うと、答えはNoです。タッチ感度はいまいちですし、特にゲームをやる時に読み込みに時間がかかるので微妙にストレスがあります。周りと比べる機会が多い学生などは、この機種を使っていると劣等感を感じてしまうでしょう。素直にiPhone買っておいたほうがいいです。
最初のスマートフォンにオススメ?馬鹿言っちゃあいけません。最初のスマートフォンならもっとサクサク動いて情報もたくさん集まるものにしたほうが無難です。
では誰に対して勧めるのか?
ビジネスの場で取り出すにはちょっとポップすぎますし、そもそもメインとして使うには力不足を感じます。なのでやはり2台目3台目としての利用になると思います。もちろん高スペックを求める層には響かない端末です。となると、やはり対象となるのは端末マニアや格安スマホスキー、低スペックフリークな方々でしょう。意外とそれなりに動くのでダメ端末好きな人にはいまいちかもしれません。
まとめ
うーん…なんと言いましょうか、期待していたほどのダメさがなく面白くない端末です。多少の我慢で普通に使えます。「ブラウジングやSNS程度の軽い利用なら十分に使える」というありがちなフレーズがピッタリです。
人に勧めるかと言われれば、勧めないですね。見た目は可愛いので、見た目が好きならアリかもしれません。
Wikoはこれが日本参入の第一弾で、今後も投入予定があるとのことです。今回のTommyは若者向けとのことですが、これでコケて次が出ない、なんて事にならないか心配です。UIは好印象ですし、カメラのフレームなど独自の面白さもあります。次もぜひがんばってほしいところですね。
そのほかTommyのポイント
- 1.カラーバリエーションは?
- トゥルー・ブラック、フラッシュレッド・レッド、クール・グレイ、ブリーン、サン・イエロー、ホットピンクの6色。ただし2017年3月10日時点ではブリーン、フラッシュレッド、トゥルーブラックの3色のみ。
- 2.ブリーンって?
- Wikoのコーポレートカラーで青と緑の中間のような色。名前はWikoによる造語。
- 3.ストラップホールはある?
- なし
- 4.バッテリー交換できる?
- バッテリーを外すことはできるが、交換用のバッテリーは未発売の模様。
- 5.通知ランプはある?色の設定は?
- 前面上部、スピーカー横にある。色の設定はなし。
- 6.ブルーライトカットは?
- なし
- 7.ディスプレイの色調整できる?
- できない
- 8.指紋認証は?
- なし
- 9.システムUI調整ツールは使える?
- 通常通り通知領域の設定ボタン長押しで解放できる。
- 10.ナビゲーションバーのカスタマイズは?
- 基本3ボタンのみだが順番を変更可能。
- 11.画面オフからのカメラ起動は?
- 電源ボタン2回押しで可能。速くはない。
- 12.OTGは?
- 対応
- 13.NFC・おサイフケータイは?
- ともに非対応
- 14.ジャイロセンサーは?
- ある。ほかに照度、磁気、加速度、近接、傾き、回転軌道、重力加速度のセンサーがある。
- 15.アプリをSDカードに移動できる?
- できない。
- 16.SDカードは?
- 64GBまで対応
- 17.SDカードの内部ストレージ化は?
- 可能
- 18.フォント変更できる?
- できない
- 19.片手操作モードは?
- なし
- 20.手袋モードは?
- なし
- 21.電源のスケジュール設定は?
- なし
- 22.テーマ機能は?
- なし
- 23.ダブルタップでスクリーンオンは?
- なし
- 21.電源のスケジュール設定は?
- なし
- 22.ホームアプリは?
- Wikoオリジナル。ドロワーはあるが、すべてのアプリのアイコンも表示される。スクリーン移動の効果は変更可能。
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OREFOLDER編集長。
1979年静岡県清水市生まれ、現静岡市清水区在住。
様々な巡り合わせから、このサイト1本で生活してる氷河期世代の一人。ガジェットに限らず広く浅く様々なものに興味があります。
スマートフォンは2010年にXperia SO-01Bを買ったのが最初。同時にb-mobile U300で格安SIMも始めました。これまでに数百台のスマホを手にし、格安SIMも常時20種類以上契約しています。