UMi Z レビュー:Zの名は伊達じゃない!Helio X27搭載のハイスペック機は久々に出会った「使える」中華端末

GearBestより、UMiの2017年フラッグシップ級スマートフォン「UMi Z」をレビュー用に提供していただきました。

正直、GearBestから送られてくる2万円前後の中華端末は「まぁこの価格帯ならこんなもの、使えないわけじゃないけど使いたいと思うほどでもない」というものが多いです。しかしこの「UMi Z」は開封して手に持った瞬間「あ、これは何か違う」と思いました。
価格的には2万6千円程度ですが、もう1万円プラスするくらいの価格帯でも勝負できるような、そんな印象を持ちました。

UMi Z 4G Phablet – GOLDEN

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UMi Zのスペック

まずは簡単にスペックを紹介します。

OS Android 6.0
CPU Helio X27 2.6GHz Deca Core
RAM 4GB
ストレージ 32GB
外部メモリ microSDXC (最大256GBまで)
ディスプレイ 5.5インチ 1920 x 1080 (フルHD)
カメラ 背面:1300万画素 前面:1300万画素
バッテリー 3780mAh
サイズ 約154.6 × 76.8 × 8.2 mm
重量 約175g

Helio X27はMediaTekの最高位に当たるSoCで、10コアのCPUを搭載しています。すでにX30というものも予定されていますが、現状MediaTekのSoCを積むフラッグシップ機としては最適でしょう。(このあたりは詳しくないのですが、Helio X27で検索するとそれなりに注目されていることがわかります。)そのほかのスペックも特別すごいわけではありませんが文句はない内容となっています。

個人的に180gを超えるとズッシリ感がするのですが、本機は175g、ギリギリそこまでは重さを感じません。まぁ5.5インチ端末なので、それなりではあるのですが。

RAMやカメラはSamsung、ディスプレイはSHARPのIGZOを使っています。こうして使っているパーツのブランドを出すのは日本だとあまり見ないですかね?

外観はパッと見よくあるタイプ

パッと見の外観は、(中華端末には特に)よくあるタイプでiPhone風とでも言えばいいのでしょうか、そういうタイプです。

背面のアンテナラインもそのとおりですね。正直このタイプはあまり好みではないのと、同じようなものがたくさんありすぎてウンザリするのですが、冒険せずに無難に確実に、となるとこの形になるのでしょう。

背面のUMiロゴは端末と同じゴールドで控えめ。このロゴ、主張しすぎないので割りと好きです。表記ゆれはよくあるのですが、「UMi」と最後のiだけ小文字なのがなんかいいですよね。

USBはもちろんType-Cです。その右がスピーカーで左がマイクとなっています。

SIMはnanoSIMが2枚入るデュアルSIMです。片方はMicroSDカードとの排他仕様となっています。

手に持つとさすがに大きさはありますね。
ちなみに、最初から保護シートらしきものが貼られているのですが、よくある「スマホに貼ってから剥がすための取っ手シール」を使おうとすると全部剥がれてしまう?ようなので、取っ手シールだけ剥がして使っています。アンチグレアでサラサラしているので気に入っています。

ピュアAndroid 6.0

UMi ZはピュアAndroid 6.0とされており、メーカーのカスタマイズのない基本的に素のAndroidとなっています。通知領域の色合いなど少し違いますが、その程度です。

プリインストールのアプリもかなり少なめです。『Chrome』や『Google Play ゲーム』も入っていないので必要な場合は別途インストールしましょう。

ちょっと話は逸れますが、最近ゲームアプリを楽しむことも増えました。そして『Google Play ゲーム』を要求するゲームも増えてきた印象です。これを使ってアカウント連携できるアプリもあって、複数端末でプレイするには便利と感じています。

設定画面もそのままで、MediaTekのSoCを積んだ端末独特の機能がいくつか加えられています。いくつか紹介していきましょう。

ターボダウンロード

ターボダウンロードは20MB以上の大容量ファイルやアプリをダウンロードする際にWi-Fiと3G/4Gの両方を使ってより高速にダウンロードする機能です。

ただ、以前別の端末で試したことがあるのですが、4G側がそこまで高速ではなかったからか、そんなに実感できるほどの効果はありませんでした。まぁ使うとしてもよほど遅いWi-Fiに接続しているときくらいでしょうか。別の端末にテザリングしているときなら使えるかもしれませんね。(未確認)

Harlequin LED Notification

Harlequin LED Notificationは通知ランプに関する設定です。充電時やバッテリー残量が少ない場合にランプを点灯するかどうか、また未読通知の色を指定できます。色は赤・青・緑の3種類あります。

Battery saving mode

OSの機能とは別でバッテリーセーバーがあります。プロファイルがいくつか設定されており、23時から翌朝7時までなど時間で指定して適用することができます。あまりスマホを使わない夜や仕事中の時間帯にセットしておくといいかもしれません。

Buttons

ナビゲーションバーに関する設定です。画面内に表示されているボタンの順番を入れ替えたり、一時的に非表示にしたりもできます。

また、UMi Zの下部にあるボタンですが、これは指紋センサーとしてだけではなくホームボタンとしても機能します。ただし押し込めるボタンではなく、タッチで機能します。そしてButtonsの設定でPhysical Buttonをオンにすると、この両側が戻るキーとマルチタスクキーとして機能します。(タッチしても光ったりしないので見た目からはわかりません。)このPhysical Buttonも戻るキーとマルチタスクキーの順番を逆にすることが可能です。(デフォルトは戻るが右)

Background task clear

Background task clearをオンにしておくと、画面消灯時などに自動的にバックグラウンドでの動作を終了(履歴から削除)します。削除したくないものはホワイトリスト形式で選びます。

電源ON/OFFのスケジュール設定

これは国内の激安端末でもよく採用されている機能ですね。時間と曜日で自動的に電源をオンオフできます。使わない就寝時などに設定しておけばバッテリーの節約になります。

Android 7.0へのアップデートも予定

UMi Zは2017年3月17日時点ではAndroid 6.0ですが、Android 7.0 Nougatへのアップデートも予定されています。ここで気になるのがGearBestのショップROMになっていないかということ。GearBestでXiaomi端末を購入すると本来入っていないはずの日本語設定があるショップROMになっています。日本語が入っているならいいように思えますが、本来来るはずのアップデートが降ってこないなどの害もあります。

UMi Zの場合は、初回起動直後にアップデートが降ってきました。なのでAndroid 7.0へのアップデートも降ってくると思われます。ただ、公式サイトのスペックシートにかかれているLaunguage欄にはJapaneseは無いんですよね。ですが実機では日本語に変更できるのが気になります。元々Android OSには日本語が入っているはずなので、単に公式サイトの記載漏れということも考えられますが…。

ベンチマーク結果と実際の動作

Antutu BenchmarkとGeekbenchの結果は上の画像の通り。AnTuTuベンチマークは他のサイト等では10万点も超えているようです。Antutuスコア9万点台(最高97058点、実際通常の使用で9万点を超えるのは難しい)を誇っていたKIWAMI 2を軽く超えます。なお、今手元にあったZenFone 3でAntutuを試したところ62424点で、これと比べても高いのが分かると思います。

ただ、スコアとは言えMediaTek製SoCはゲームには弱いという話もあるので、デレステなどをプレイしていてそのあたりが心配な人は手を出さないのが無難かもしれません。

実際に私が試してみた範囲だと『オルタナティブガールズ』も『ららマジ』も『崩壊3rd』も問題なく快適にプレイできました。(どれもそれほどパワーが必要ではないといえばそうですが。)『崩壊3rd』ではデフォルトの画質設定が5段階中の4番目。最高とは言えないですが、そこそこでしょう。

気になる点

大体は快適に使うことのできるUMi Zですが、気になる点が3つほどありました。

1.ディスプレイがぼやけて見える?

これは個人の問題というか印象というかなのですが、なんだかディスプレイがぼやけて見える気がします。発色はいいですし、明るくて見やすい、色温度の調整もできるのですが、そこだけ気になります。ただディスプレイのせいというよりは貼ってあるシートのせいな気もします。

2.タッチキーの操作性

Physical buttonをオンにするとタッチキーの左右で戻るキーなども動作するのですが、やはり何かしら光るなどのギミックが欲しかったですね。

指紋センサーをタッチでホームというのもちょっと慣れないと戸惑います。最近はこのキーで複数の機能を持たせる端末もあり、それらを使った事がある人だと、タッチでの動作が違って混乱するかもしれません。(これは当てはまる人少なそうですが。)

3.スクロールが変

うまく伝わらないかもしれませんが、スクロールに癖があります。かつてFREETELのPrioriシリーズの3まででよく見られた挙動なのですが、意図せずに急激にスクロールすることがあります。この癖をつかむのはなかなか苦労すると思います。

指紋認証はもう一つ

指紋センサーは前面にあるので、操作するときの指の動きそのままでロック解除が可能です。ただその精度はと言うと今ひとつと言ったところです。ゆっくり落ち着いてやれば問題ないのですが、反応しないこともしばしば。反応するときも、スクリーンオフの状態からロック解除でホーム画面になるまでは一呼吸ある印象です。

使えないことはないですが、特別速いわけではありません。このあたりは価格相応ですね。

レーザーフォーカスも装備したカメラ

UMi Zはカメラにも力を入れていて、レーザーフォーカスも装備しています。

UIは標準的で特に迷うこともないでしょう。Pro Photoモードなら露出やホワイトバランスを自分で細かく指定できます。

設定項目は機能ごとにオンオフを選ぶものがほとんどです。自動シーン検出やピースサインや笑顔でシャッターを切る機能もあります。サイズ設定は縦横比が書かれているのがわかりやすくていいですね。

いくつか実際に撮影したものを載せておきます。(リサイズのみ加工しています。)

全体的には悪くないのですが、食べ物がどうも暗く写ってしまっていますね。このほかにも撮っているのですが、あまり飯テロには使えなさそうな印象です。

4K動画撮影も可能

また、動画では4K動画の撮影にも対応しているほか、タイムラプス動画も簡単に撮ることができます。

前面カメラも1300万画素

UMi Zは前面カメラも背面と同じく1300万画素となっています。

前面にもライトが装備されているので、ビューティーモードと組み合わせて使えばセルフィーも明るく美しく撮ることができそうです。

まとめ

全体的に非常にまとまっていていいスマホだと感じました。これまでGearBestから送られてきた2万円以下の端末とは明らかに違います。国内端末で言うと3万円台の端末以上のものを感じます。(もちろん国内端末は国内流通のためのあれやこれやがあるので一概に比べることはできないのですけど。) Zの名前を関しているのは伊達じゃないな、と思いました。ただスクロールの挙動がおかしいのが非常に残念です。これさえなければ…とかなり惜しく感じます。

なお、冒頭で「フラッグシップ級」と「級」をつけたのは、実はすでにUMIDIGI Z PROというものもあるからです。こちらは2,000円ほど高くなりますがカメラが更にパワーアップしてデュアルカメラとなっているようです。実際は買うならこちらでしょうか…。

どちらにせよ、中華端末と言って馬鹿にできない端末です。私は高級な方の中華端末は触っていませんが、安い価格帯の中華端末の中でも久しぶりに「これは」と思える端末に出会えた気分です。GearBestでは現在3周年記念セールの真っ只中です。もし買うのなら、今がチャンスかもしれません。

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参考情報

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OREFOLDER編集長。
1979年静岡県清水市生まれ、現静岡市清水区在住。

様々な巡り合わせから、このサイト1本で生活してる氷河期世代の一人。ガジェットに限らず広く浅く様々なものに興味があります。

スマートフォンは2010年にXperia SO-01Bを買ったのが最初。同時にb-mobile U300で格安SIMも始めました。これまでに数百台のスマホを手にし、格安SIMも常時20種類以上契約しています。

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